・日本の一人相撲となる洞爺湖サミット

記者会見に向かうブッシュ米大統領(左)と福田首相。2008年7月6日。北海道洞爺湖にて(AP通信) 洞爺湖サミットが開幕しました。

日本国内ではそれなりの話題として取り上げられていますが、関係国の報道では日本の姿が見えないと酷評しているものもあるそうです。


また、洞爺湖入りしたジャーナリストたちに不評なのがメディアセンター。

環境サミットをアピールしようと雪冷房を取り入れたり、リサイクル素材を多用したりと無い知恵を絞ったにもかかわらず、評価よりも批判が上回ってしまった。


批判の矛先は、建設費30億円、諸経費を含めて50億円もの巨費を投じながら、サミット後には取り壊してしまう資源の有効活用に対する『物理的矛盾』。

資源循環型社会を目指すとしたコンセプトに沿った計画なんだと思いますが、リサイクルという資源循環は環境負荷がかなり大きいことが指摘されています。


リサイクルではなくリユースが最適。

メディアセンターの機能を保持したまま存続できるとは考えられないので、他の目的、例えば温暖化防止対策研究センターへの衣替えや、さらに太陽光発電パネルを増設してソーラー発電所にしてみたり。

イギリスのジャーナリストが「もったいない」と日本語で批判していた様子が印象的です。


福田首相が国内の政治情勢を好転させる契機に利用しようとしていることは、マスコミ各社の論調からも明らかです。

議長国として「2050年までに先進国の排出量を半減させる」という明確な目標を採択できなければ、福田首相指導力不足が招いた結果となります。


各国の私利私欲がぶつかり合うサミットで、地球規模の問題が未来の権利として論議されるのかどうか不安視されています。

ある国のファーストレディーが「みんなと一緒のバスで移動するのはいや」と、わがままを押し通そうとしている様子からは、地球温暖化の将来を左右するサミットとの緊迫感が伝わってきません。

福田首相の思惑には各国首脳との温度差がかなりあるように思えます。