・サミット晩餐にみる偽善者たち

最後の晩餐 Leonardo da Vinci (1498)クールアースディ、ライトダウンキャンペーン。

民間有志が呼びかけ人だったり政府が主導したりと形はさまざまですが、「電気の照明を消してロウソクで暮らせ」と、盛んに急き立てています。

七夕の夜空を明かりで邪魔しないのが目的というなら文句のつけようがありませんが、お決まりの『○○世帯が1日に出す分に相当する二酸化炭素の排出削減効果が見込まれる』とやられると、「またか・・・。」とため息が出ます。


温暖化防止の必要性ではみんなが一致してきていると思いますが、ライトダウンの推し進め方には「闇雲」との言葉がぴったりです。

行為に対する効果はさておき、意識の向上のためには『夜を暗くするのは当然』との考え方です。

しかし、地球温暖化問題への意識があっても、出来ることはするがそれ以上は逃げ腰な一般人にとって、「温暖化を防止しようとすればするほど生活が不便になってしまう」との意識付けが強まります。


コンビニの深夜営業規制はまさにそれで、CO2削減効果ではなく夜型の生活を変えるための標的にされた感じがします。

深夜営業は無いに越したことはありませんが、深夜まで寝ずに仕事をしなければならない状況を作り出しているのがコンビにだとは考えられません。

産業構造に伴う生活スタイルの変化がコンビニの深夜営業を求めた結果ではないでしょうか。

因果関係を考えることなく、目先の思いつきで温暖化対策に飛びつく「エセエコ」が社会にはびこっていると思います。


7日に開幕した北海道洞爺湖サミットは、深刻化する食糧問題を真正面から取り上げる必要性に迫られています。

アフリカに象徴される貧困層の飢餓への緊急対策が求められました。

しかし、支援を約束したその足で向かったのは、豪華な晩餐会です。

真剣に地球上の貧困と飢餓を話し合おうとするならば、議題の対象とされた人々がどのような食事をしているのか体験してみることからはじめなければならないはず。


一般社会の生活に不便を掛けて誤解を招くのではなく、貧困や飢餓とは無縁の金持ちたち(サミット参加者も同類)が率先して極限の不便を味わう心意気が求められています。

サミットの夕食は、ロウソクの闇の中でアフリカの貧困層の夕食をそのまま提供すればよかった。

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これを偽善と言わずして何と言う。