・男性132cm、女性99cm 

「トイレに、愛を。」キャンペーンのロゴ=東京・新宿の高島屋新宿店で 朝日新聞より日本トイレ研究所の調査によると、トイレットペーパーの1回の平均消費量は男性132センチ、女性99センチ。

この数字を見て驚くのか納得するのかで、その人の環境価値観が測れるようです。

上手に使えば、この半分の長さで十分なはずなんですけどね。


昨日の記事では、食料が海外に完全に依存していて、自給率を高めることが困難な現状をお伝えしましたが、紙も同様です。

日本の紙原料(パルプ)の自給率は、12%しかありません。

製紙会社は、外国の土地を買い(借り)占めて、広大な植林に取り組まざるを得ない状況です。


ほとんどを外国に頼っている貴重な紙ですが、リサイクルされずに捨てられているものが3割以上あります。

上伊那の焼却炉では、燃えるゴミの36%が紙です。

貴重な資源を二酸化炭素と灰にして、環境負荷を高めてしまっている。


ちなみに、上伊那の焼却炉に入るゴミで最も多いのが厨芥ゴミ(生ゴミ)です。

紙と生ゴミをあわせると8割にもなります。

本来燃やしてはならない資源を、億単位の経費をつぎ込んで無駄に消滅させている。

日本全国で見れば、いったいどのくらいの無駄があるんだろうかと考えると、恐ろしくなります。


大量生産、大量消費が企業の利潤を生み、日本の経済力を高めた時期もあったかも知れませんが、今は違います。

地球規模で進む気候変動への危機感が募り、資源の浪費に厳しい目が注がれる。

資源を持たない日本が、資源を浪費している現状を一刻も早く改善しないと、日本の産業、社会生活が崩壊してしまう。


用を足した後でトイレットペーパが無ければ困ります。

本当に困る状況を招かないためには、ゴミ袋に無造作に入れている紙のありがたみを考えましょう。

その紙は、外国の土地で育てられた木が多量の燃料を消費して海運され、電力・薬品を投入して生産されたものです。


ゴミ袋に入れてしまえば、大型焼却炉が建設されて、二酸化炭素を増やして、灰が最終処分場に蓄積されてしまう。

古紙回収に回せば、焼却炉が劇的に小さくなり、自治体の経費が削減されて税金の負担が軽くなる。

日本は、資源循環を根本から見直さなければなりません。