・京都議定書に寄与しない森林

北海道立林産試験場HPより昨日に続き、温室効果ガスの排出削減に関する日本政府の中期目標検討委員会の話題です。

同委員会では、森林が吸収する二酸化炭素(CO2)の量が、このままでは20年には2割以上減るとの見通しを示している。

京都議定書に基づく12年までの削減では、日本は約6割を森林吸収分で賄うことにしているが、13年以降は森林への依存度を少なくしなければならなくなる。


戦後に植林した杉が老齢化し、CO2吸収量が減っていくという。

京都議定書の削減義務である90年比6%の3.8%分は森林吸収を見込んでいるのに対し、現状程度に間伐を進めても20年には90年比で2.9%減、管理する範囲を広げても3.2%減にとどまる。

管理範囲を広げるには、新たな林道整備や労働力が必要になり、追加コストは年間1千億〜2600億円にのぼるという。

試算した天野正博・早大大学院教授によると、削減策としては「コストパフォーマンスはよくない」としている。


元々、削減の努力をしないで森林の吸収量を過剰に算出した国の責任が重い。

森林の吸収分にしても、樹木にCO2が固定化されたと架空の条件の下で試算されているに違いない。

実際は切り捨て間伐が横行して、木材はシロアリによって分解され土壌に還元されていく。

この過程で固定されているはずの炭素はメタンとなるものもあり、CO2の20倍とも言われる強力な温室効果ガスとなって温暖化を加速する。


京都議定書に定められた日本の削減義務6%のうちの大半を占める森林吸収が、実際は机上の空論でしかないと発表されるのは2013年以降だと思います。

産業界と一蓮托生の自民党政権では、地球環境は食い物にして儲ける対象でしかない。

アメリカがブッシュ政権で示していた一国主義を自民党政権は今も引きずっている。

オバマにチェンジしたアメリカでは、実効性のある温暖化対策に取り組む姿勢が明確になってきた。

日本は、ごまかしの温暖化対策が麻生政権が居座り続けている間じゅう、続いてしまうのは悲劇だ。