・ごみチケットが余ったら

ごみチケットが余ったら学校に寄付せよ。

上伊那広域連合からのお達しです。

チケットとは、ゴミ袋を買う際に必要となる「指定ごみ袋購入チケット」のこと。


上伊那ではごみを収集してもらうためには、指定されたごみ袋に入れて集積場所に出さなければならない。

指定外のごみ袋に入れられたゴミは、もって行ってもらえない仕組みです。

だからごみ袋を十分に購入できる数のチケットが自治体から発行されています。


しかし、ゴミを大量に出すことを前提にチケットを発行するから、環境負荷を下げようと努力している家庭では余る。

逆に、地球環境よりも自分たちの快楽だと自由に振舞っている家庭では足りなくなる。

足りなくなっても自治体の窓口で追加購入できるが、結構高額に設定されている。

10枚のごみ袋が買えるチケットが一枚で追加購入だと1500円だったかな。


学校を巻き込んでごみ減量に取り組む一環としてチケット回収を位置づけたのは、一定の評価に値する。

しかし、なにか釈然としない。

そもそも、余るように発行していることに問題があるのであって、余ったものを子供たちに回収させてご褒美をあげるようなやり方はおかしいのではないか。


この問題には、ごみ焼却場を検討する「上伊那広域連合ごみ処理基本計画推進委員会」でも検討されている。

そこでは「ごみ処理費用有料制度の見直し。(手数料の増、チケット枚数を限界まで減らす)」が示されていた。

しかし、上伊那広域連合では、大量廃棄を前提としたチケット配布のあり方を改める姿勢を見せていない。


駒ヶ根市では、ゴミチケットを余らせることは、ごみ減量を通じてエコロジーに寄与したとして「エコポイント」の対象にすることを計画した。

各家庭がごみ減量の実績を確実に認識できる方策として、実効性が期待されていた。

しかし、上伊那広域連合がつぶしてしまった。

広域では、学校で回収させることにしたいので、駒ヶ根だけでより優れた取り組みをされると足並みが乱れると言って・・・。


学校で回収させるのも一つの手段として取り入れるなら異論はないが、他の手段は認めないとなっては本末転倒だ。

お役人が環境問題に首を突っ込むと、必ずといっていいほど道を間違える。

生活者の視点ではなくお役所のものの見方で判断するから、ピントがずれる。


本当にゴミを減らしたいならゴミチケットは廃止して、自由に購入できるようにすればいい。

もちろんゴミ処理にかかるすべての経費(イニシャル、ランニング等)を税金で補填せずにそのまま転嫁すればいい。

家計の負担が重くなりすぎるケースでは、無料購入券や割引券の発行で対応できるだろう。


この問題は行政のトップの理念が大きく反映する。

先を見据えて先進的な理念を掲げるか、今が何とかなればよいと住民に媚を売るか。

伊那市長は続投の意思を示し、次期市長と目されていた副市長は県議選に出馬すると噂されている。

集票を考えるから必要とされる厳しい施策を打ち出せない。

上伊那広域連合のトップが今の伊那市長である限り、おざなりな現状はこのまま続くと思われます。