・民主党の勝利は風任せ

長野県選挙区では民主党が全勝して自民党議席を失った。

一見すると民主党の大勝のようだが、何となく引っかかるものがあったので詳しく分析してみた。

すると、民主党の勝利は自力ではなく「風頼み」にすぎないことが明らかになった。


長野5区における選挙区の得票は、加藤学が107,300に対して宮下一郎が91,836と、得票率にして46%と40%であり6ポイントの差にすぎない。

ところが比例区では、加藤学が99,612に対して宮下一郎が56,056と、得票率にして43%と24%でありその差は19ポイントもある。

宮下一郎は、自民党への逆風(19ポイント差)を跳ね除けて小選挙区では6ポイント差まで詰め寄っているのだ。


別の角度から見てみよう、選挙区の票と比例区の票を比べると、加藤学が108%に対して宮下一郎は164%になる。

党への期待票に依存する加藤学と、党の票に64ポイントも上積みする宮下一郎の違いが鮮明になる。

民主党の加藤学は自力では到底、宮下一郎に勝てないことが明らかだ。


今回は政権交代の強風が吹いたために、自力に劣る加藤学は幸運にも勝利を手繰り寄せることができた。

そう、幸運に恵まれたからだ。

幸運が次も続くとは思えないから、次の選挙で勝ち上がることは至難の業だと思った方が良い。


これは他の選挙区にも当てはまる。

長野3区の羽田孜は、さらにこの傾向が顕著に表れている。

多選批判と高齢による信頼の低下だ。


民主党の勝利は薄氷を踏むような状態だったことに、関係者は気が付いているのだろうか。

無風状態だったら勝てたのは長野2区の「下條みつ」ただ一人になったと予想される。

長野県の自民党の底力を甘く見てはいけないようだ。

民主党は大勝に浮かれていると、次の選挙で手痛いしっぺ返しを食うことになる。