・総理大臣の権力に未練の森喜朗

選挙の当落を伝える報道では、候補者の万歳や無念の表情を伝えるのが常ですが、会場に詰めかけた少数の支援者だけにとどまらずに、レンズの向こうにいる大多数の有権者に見せることを目的にしていると思う。

ところが、傲慢な候補者はマスコミをシャットアウトして、自分たちだけで祝杯をあげることもある。

その一人が森元総理大臣だ。

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元首相で自民前職の森喜朗氏(72)が民主新人の田中美絵子氏(33)の猛追を受け、からくも議席を守った石川2区(小松、白山市など)。森氏の事務所では、森氏が地元紙以外の報道陣をシャットアウトして支援者と異例の万歳をした。
 「(当落が決まる)瞬間は(写真に)撮ってもらいたくない」。午後11時、事務所に到着した森氏は報道陣に、地元紙以外は事務所内部での取材を拒否すると通告。その最中、テレビ報道で森氏の当確が伝えられた。
 全国紙などの取材を拒否して万歳した後、取材に応じた森氏は「さんざんマスコミにふりまわされた」と話した。 =毎日新聞 2009年8月31日=

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この森という人は、政治家としても最低レベルであるにもかかわらず、影響力を誇示しようと議員の地位に固執している。

自民党では活躍の場がなくなると思いきや、民主党にまで口出しをするつもりらしい。

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政権交代が確実になったことを受け、日本体育協会(体協)会長である森喜朗元首相は2日の体協理事会後、スポーツ界と民主党の調整役を果たしたいとの意向を記者団に示した。
森氏は、首相に就任する鳩山由紀夫民主党代表と早い時期に会談したいと述べた。「鳩山さんもスポーツが嫌いではないはず。どういう政権になってもスポーツは大事なものだ」などと語った。 =毎日新聞 2009年9月2日=

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総理大臣を引退した政治家は、次の選挙には立候補しない潔さが求められる。

そうでないと、森のような勘違い野郎が政界をさまよって政治を歪めてしまう。

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民主党鳩山代表は7月26日、新潟県新発田市での講演で「総理大臣を終えた後、政界に残っちゃいけない」と語り、首相は退任したら政界を引退すべきだとの考えを示した。
鳩山氏はその後、記者団から「自身も首相になって退任したら、次の選挙に立候補しないのか」と問われたのに対し、「基本的にそのように考えている」と答えた。
講演で鳩山氏は、自民党の森、安倍両元首相を念頭に「政治家たるもの影響力を残したい、という方が結構おられる。総理大臣まで極めた人がその後、影響力を行使することが政治の混乱を招いているんじゃないか」と語った。  =朝日新聞 2009年7月26日=

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法律で定めるようなことではないが、政界の不文律として定着させるべきだと思う。

少なくとも民主党には森のような勘違い野郎を生まない良識を求めていきたい。