・断熱性能検証に赤外線放射温度計

断熱リフォームの成果を検証するために温度計は大変に重要です。

使っている温度計の種類は、一般的なアルコール温度計、デジタル温度湿度計、毛髪湿度計(古いので誤差大)。

今日新たに放射温度計が加わりました。

離れた場所から物体(液体)の温度が計れるという優れモノです。


A&D社の赤外線放射温度計 AD-5614

主な仕様は、

・バックライト、レーザー・マーカー付き。
・放射率設定変更可能。
・上限/下限温度アラーム機能付き。
・K熱電対温度センサー使用可能。


選んだ決め手は、熱電対温度センサーが併用できることと電源に充電電池が使える二点。

赤外線で放射温度を測定しながら同時並行で熱電対の温度測定ができるという優れた操作性を備える。

物体の温度を計りつつ、気温も一緒に計れてしまうのだ。


また、熱電対を使うと他の温度計との相対誤差を補正できる。

温度計の絶対精度は2℃程度とかなり大きいが、相対精度はきめ細かく補正すればかなり小さくできる。

放射温度計を購入した理由の一つに、断熱した壁面や窓の表面温度を計ることによって計算した熱貫流率の検証がある。


例えば洗面所の3重窓は計算上の熱貫流率は1.7(W/m2・K)。

実測では外気温1.3℃、室温6.0℃の時に内窓の表面温度は5.2℃。

貫流率1.7の計算上の表面温度は5.1℃だから、その差は0.1℃と極めて近いとうことで計算の信頼性は高いということになる。


さらに放射温度計で室内面の温度を計ることで、断熱の必要な場所が特定できる。

表面温度が低い場所は、暖房負荷の原因として影響が大きい。

また、断熱材が入っていても何らかの理由で断熱欠損が生じていたら、局所的に表面温度が低くなって現れるから場所が特定できる。

リフォームで断熱に取り組む時にはすごく頼もしいパートナーだ。


機能がすぐれているので価格は安くはない。

K熱電対温度センサーと一緒に購入して一万三千円くらい。

寒い家を暖かくするための道具と考えれば、コストパフォーマンスは高いと思います。