・浜岡原発の停止からはじまる

首相の英断に賛辞を送る。

震災への対応の不備を別にしてみれば、菅首相原発には格別の関心を示している。

この際、首相は原発に専念して、他の震災対応から手を切ったほうがいいのではないかと思う。


中部電力浜岡原子力発電所がすべて停止することに伴い、中部電力管内の需要家は効果的な節電をせまられることになった。

東京電力の電力不足を人事のように傍観していた人たちが、いきなり自分のこととなってあわてるだろう。

これまでおざなりになっていた節電への取り組みが加速することは素直に喜ばしい。


電力不足が消費に影響するとか、産業の停滞を招くとする意見もあるが、電力がなくなるわけではないから大げさな主張である。

電力は消費することが美徳と考えられていた節があるので、貴重な資源を有効に使うノウハウが社会全体に浸透していくことが望まれる。

特に節電を口にしても実効性が伴っていなかった一般家庭では、一気に省エネが進むと予想される。

これまでは気分的な省エネで自己満足していたものが、これからは効果を発揮しなければならないからだ。


効果的な節電の方法を考えるときに不可欠なのは、家庭内の電力消費の実態把握だ。

どの家電製品が、どの程度の電力を消費していて、節電の余地がどれくらいあるか。

少し前まで家電エコポイントと言う経済対策が実施され、省エネと見せかけて増エネになってしまったことを繰り返してはならない。

テレビを例に挙げれば、大型の画面になるほどエコポイントが加算されるという逆進性の影響で消費電力の大きなテレビが普及してしまった。

他の家電品を見ても、家電量販店の広告には省エネ性能に劣る冷蔵庫がお得な価格で販売されて省エネに逆行している。


これまでは一般消費者が効果的な省エネの知識を得る機会がほとんどなかったと言わざるを得ない。

生活環境全体を把握してエネルギーの需給と快適な生活をバランスさせる知識を持った指導的立場にあるものがほとんどいなかったからだ。

原発を止めることには大賛成だが、止めたあとの電力需給に支障が出ないように国民に知恵をつけさせることに真剣に取り組まなければならない。

原発は安全ですとマスコミを総動員して洗脳していた経費をそっくり使って、家庭の効果的な省エネ術を浸透させることを提案する。