・楽で得する節電術(2) 部屋を涼しくする

昨日に引き続いて節電のノウハウについての講座に向けての備忘録。
最近はジェットコースターのごとくエネルギー問題を取り巻く環境がめまぐるしく、それこそ時間単位で変貌するので立ち位置をしっかりと固めていないと惑うことになる。
東電と東北電力管内では、電力消費量を削減する範囲の広い節電ですが、中部電力は平常時は足りているので、ピークカットが求められている。

重要なことは、電力需要がピークに達する時の電気の使用を控えるということ。
昨日も指摘したが月曜日から水曜日までの午後一時から四時が最重要のターゲットです。
この時期にできる限り電気を使わない暮らし方を工夫することが大事です。

電気を使うのを抑えるということではなくて、使う時刻をずらしたり、電気を使わなくても済むように工夫しましょうという事なので、我慢する必要はない。
信州ではあまり必要性がないとしたクーラーでも、必要な場合があって、その時間帯はみごとにターゲットと重複する。
ではどうするか。
具体的に工夫していきましょう。

まずは、クーラーを何のために使っているかを考えます。
部屋が暑いから、涼しくするためですね。
では、なんで部屋が暑いんでしょう?
それは、外の気温が高いからです。

外の気温が高いと、なぜ部屋が暑くなるんでしょう?
それは、外から熱が入り込んでくるからです。
クーラーは外から入ってきた熱を外に戻すのが仕事です。
では、熱が入って来なくすればクーラーの仕事が減るということが分かります。

断熱と遮熱が有効だと、ここまでくれば理解いただけると思います。
断熱性に劣る住宅では、クーラーの節電には断熱が一番効果的です。
天井に断熱材を入れたり、内窓を付けたりの本格的な断熱リフォームが理想的ですが、応急的にどうするかも考えてみましょう。

熱の侵入経路は、窓からのものが23%を占めて一番多い。
日射を遮ることが基本になりますから、すだれとカーテンを効果的に使いましょう。
窓の外には、すだれを窓から数十センチ離して取り付け、すだれと窓の間に風が通るようにします。
窓とすだれを密着させると、すだれに当たった太陽光線がすだれから遠赤外線を輻射して室内を暖めてしまいます。
すだれの二重掛け(間隔を開ける)は効果が上がります。

また、マンションのベランダは大きな蓄熱材なので、日中に太陽熱を貯めない。
ベランダをすだれで日よけする、ベランダのコンクリート床には木製すのこを敷く。
日が当たって暑くなったコンクリート打ち水する。ただし、このときには、窓は締め切って風を入れない。

打ち水は、最初は水が蒸散した時に湿度が高く熱気を帯びた風なので、これは室内にいれずに、二回目以降の風を室内に取り込むようにするといいです。
アスファルトやコンクリートが熱いうちの打ち水は、蓄熱体を冷やすためで、涼しい風が得られる打ち水は、これらが冷えてから風が運んでくるものです。
この違いがなかなか理解されていませんね。
だから昔の知恵の本来の打ち水は日が陰りはじめた夕刻に行うんです。

話はちょっとそれますが、同じ打ち水でもさらに効果が高いのがクーラーの室外機です。
とっておきの方法は、室外機に日除けのすだれまたは小形のよしずを隙間を開けて掛け、これに打ち水します。
室外機に涼しい風が取り込まれて冷房効果が向上し節電になります。

窓を開ける時間帯と屋外の気温に気を配ると冷房効果が上がります。
熱帯夜は別にして、夜間にはできるだけ外気を取り入れて室内の熱を排出し日中は、外気の進入と太陽光線が入り込まないようにします。
窓には、遮光カーテンを取り付け、暗くしてもよい場合はその上に厚いカーテンを引く。

このくらいやると窓からの熱の侵入は半分くらいに減少しますから、クーラーの消費電力を10%削減できる見込みです。
設定温度を上げて暑いのを我慢するよりも、断熱に工夫して節電しながら涼しく暮らすほうが良いですよね。