邦人殺害事件に想う

テロリストによる邦人殺害事件に関して責任のなすり合いが起きています。
自己責任だという人、安倍首相に責任を転嫁する人、・・・。

事象をシンプルに考察すると、一般社会で起きている事件と共通するところがあると思います。
『目的を達成しようとする者がいて、それを餌に騙す者がいて、騙された者が大切なものを奪われる』

一例がオレオレ詐欺
「子や孫の窮地をねつ造して主に高齢者を騙して多額の金品を奪取する」
健康食品も。
「美と健康に対する飽くなき欲求を見透かして高額な商品を押し付ける」

邦人殺害事件も同じ構図と考えられます。
「紛争の現地を知らしめたいという目的に付け込んだガイドに騙されて一命を落とした」

こじつければいくらでも責任を擦り付けるところはあるでしょうが、事象の本筋を取り出してみると、騙す者と騙される者という構図だと思います。

騙されないために何が必要なのか、家族で相談しました。
目的を遂行しようと焦っている時には自己判断は冷静さを欠きます。
三者に助言を乞う。

シリアの事件では外務省(第三者)からの渡航中止要請(助言)があったと伝えられています。
目的を遂行するためにリスクを負うといえば聞こえは良いのですが、自分のリスクだけしか視野に入っていない場合もあるでしょう。
自国や関係国にも多大な影響を及ぼすことと、目的の意義を天秤にかけても議論は平行線になります。

騙されて大切なものを失う人が少なくなるよう被害を未然に防ぐためには、こうした議論とは別に、実効性のある防止策を共有する必要がある。
崇高な目的を遂行するためであっても最低限守るべき安全義務です。

法治国家なのですから国会の論戦はもちろんのこと本質を見極めてほしい。