賢そうで実はアホなリーフのエアコン

猛暑の山陽自動車道を西へ向かって疾走していた時のことだ。
LeafSpyの画面にピンク色のバーグラフが現れた。

ヒーターが加熱を始めたことを意味している。
外は30℃を超える気温だから冷房したいのに、なぜヒーターで加熱するのか?

理由は、除湿モードに入ったからだ。
その時のエアコン設定温度は26℃だった。
車内が26℃を下回った、または近づいたと判断したので冷却モードから除湿モードに切り替わり、室温の低下を防止しようとしている。

まだ、この程度は許せる。
しかし、設定温度を24℃にしても、さらに下げて22℃にしてもヒーターを起動させるので困った。

LeafSpyの画面でヒーター出力を確認できるからヒーターの稼働を察知できるが、この画面を利用していないユーザーには知る術がない。


ヒーターを作動させないためには、さらに設定温度を下げなければならない。
しかし、設定温度を下げれば冷房負荷が増大して、エアコンで消費される電力が増えてしまう。
エネルギーの無駄だ。


本当に賢いEV用エアコンなら、設定温度に近づいたところで出力をギリギリまで絞り込むか、間欠運転に切り替わる。
自分勝手に除湿モードに移行したりしない。

こんなことをするのはガソリンやディーゼルエンジンを搭載した自動車のエアコンくらいのものだ。
排熱が余りあるこれらのエンジン車のエアコン制御をそのままEVに流用するとは日産のエンジニア達は技術レベルが低すぎる。


上の画面を見ればエネルギーの無駄が判る。
エアコンが350Wと省エネ運転状態で冷房しているのに、ヒーターは500Wを消費して暖房している。

有り余るバッテリー容量があるならば話は別だが、リーフの限られたバッテリーを駆使してより遠くへより速く移動するための努力が水の泡だ。

リーフのエアコンは、外気導入と内気循環も効果的な判断基準とは別に勝手に切り替えてしまう。
オフィスビル空調でこんな低レベルな制御をやったら、テナントから苦情が殺到していまう。
省エネと快適性を併せ持つ制御が当節の常識だからだ。


リーフのエアコンは、何も知らずに使っていると賢いと勘違いしてしまうが、実際の挙動を知ってしまうと、あきれるほどに低能だと判る。
近く、MCがあるようだが、現行リーフのエアコン制御のバージョンアップも期待したい。