・市長選、林候補の政策を検証

信濃毎日新聞 1/14駒ヶ根市長選挙に立候補した三名の候補者の政策を評価する最後は、届出順に林候補。

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現市政のひずみを福祉の切り下げなどに着目し具体的に取り上げ、明確に転換する姿勢を示したところは、他の二名と大きな違いです。

林候補の出陣式は、JR駒ヶ根駅前で行われ、駒ヶ根市の交通の要としての機能を再び期待される交通インフラを選択したところに、林候補独自の政策センスが現われた。

「大型事業に力をいれ福祉切り捨ての市政を転換したい」

財政改革は堅実

大型事業に偏った財政支出を福祉に切り替えるために、具体的な政策と財源を示しています。

市長報酬と退職金の削減、公共事業の入札制度と、項目は杉本候補に同様ですが、報酬カットは10ポイント上積みして30%削減、退職金はすべて辞退と上回った。

入札制度は地域制限つき一般入札に変えるとして、隣の伊那市の必ずしも高くない現状を引き合いに出して実現性を担保した上で、1億3千万円の削減が可能とした。

これらの財源をもとにして、政策ビラなどでは中学校三年生までの医療費無料化(3千万円)、保育料を長野県で一番安くする(3千万円)、と財源との整合性がとられた福祉施策が提示されています。


さらに、市長の報酬カットと、市役所人事では部長制の廃止などを含めると、少なく見積もっても2億円以上の財源が確保できる堅実な政策が示されたと言えます。

医師問題解決のための具体的提案

昭和伊南総合病院の医師不足には特効薬がなく、各候補も頭を痛めるところですが、医師がいない現状を直視した現実的な打開策が求められます。

産科医がいなくなり駒ヶ根を含めた伊南地域では病院での出産ができなくなる現実を前提とした解決策として、林候補が提示した院内助産院の開設が最も実現の可能性が高いと言える。

開設には地域の産科医の協力が不可欠とはいえ、今いる助産師のマンパワーを効果的に運用すれば、受け入れ体制をオーバーすると言われる100〜200人程度を救うことができると考えられます。

院内助産院の開設は、長野県の解決策としても重視されており、市民のニーズ、地域医療のマンパワーの現実、国・県との協力のすべての点において、市長の選択肢としては適策だと思います。

世論調査から見た候補者としての評価は高い

林候補の政策は、「大型事業中心のこの20年間に終止符を打ち、新しい市政への転換」と言うのが基本路線。

信濃毎日新聞が12日に公開した世論調査によると、「投票する際、重視することは何ですか」の問いに最も多かったのが『公約・政策』 (44.8%)

林候補が最も重視する公約は「市政の転換」ですから、有権者は「市政の継続か転換か」を明確に選択することができます。


一方、「市長に最も期待する資質は」の問いで、最も低かったのが『市政の継続性』 (2.2%)

明らかに有権者は、現市政からの転換を望んでおり、有権者の求める市長像と重なる。


世論調査で具体的事業として取り上げられた「東中学校を移転、40億円かけて天竜川西側に新中学校を建設する方針について」の問いには、68.8%と圧倒的多数が『新中学校は建設せず通学区見直しで対応する』を選択しました。

林候補は、「現在の学校を移転させないで拡充する」、「通学区見直しで対応する」と、立候補表明の段階から示しています。


地域医療の拡充、財政の健全運営、高齢者障害者福祉、子育て支援世論調査で優先課題として高い関心が示されました。

林候補の政策が財源を含めた実現性において、有権者のニーズを網羅していることから、政策立案能力の高さを感じます。


世論調査有権者の要望と林候補の政策は見事に一致しており、市長候補としては高い評価となります。