・闇サイト、原発の不当判決の裏側

磯谷利恵さんが拉致、殺害された闇サイト殺人事件の判決公判を前に、心境を語る母富美子さん=18日午前、名古屋地裁前  岐阜新聞=裁判は国民目線で判決が下されているのか、疑問に思う判決が相次いだ。

愛知の闇サイト殺人判決では、首謀者が自首を理由に減刑され無期懲役を勝ち取った。

「悔しい」と無念の表情を見せた母親の切なる願いが届かなかったことは、国民感情と司法の常識がかけ離れている現状を浮き彫りにしました。


一方、一審で原発の停止が命じられた原子力発電所に、二審で安全のお墨付きが与えられた。

北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)運転差し止め訴訟は、原発は震災に耐えられないという地裁の認定を覆し、高裁は危険性なしと判断した。

裁判所の判断が正反対になった理由はどこにあるのか。


地裁の判決の後、国の耐震指針が改定されたことで、高裁は2号機の安全対策がこの改定新指針に適合していると認定し、住民が被ばくする危険性を否定した。

しかし、改定されたのは指針だけであって、問題の原発の安全性が飛躍的に高められたのではない。

言い換えれば、既存の原発に安全性のお墨付きを与えるために指針が現状を追認したと言えなくも無い。


司法が国民目線で判断しているならば、指針を変えた国によるご都合主義を断罪すべきだ。

国に都合のよい判決を得るために、何らかの力が働く余地は無いと言えるのだろうか。

裁判官がどのように選ばれるのかを考えると、内閣の意向が判決に強い影響力を及ぼしている実態が明らかになる。


高等裁判所を含む下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって内閣が任命する(憲法80条1項、裁判所法40条1項)。

裁判官は内閣が選ぶ!

正義感の強い裁判官が国民目線で判決を下したとしても、上告された段階で国に都合の良い裁判官を指名することが可能だ。


裁判官の職権行使の独立を保障するために、裁判官は行政府の圧力から独立して裁判を行えるよう、強力な身分保障がされているというが、それは任命された後のことであって、任命される前は行政府からの圧力下にあることが見逃せない。

日本は建前では三権分立だが、自民党が実権を独り占めする国家行政を筆頭に、馴れ合いの議会と行政府が指名する御用裁判官によって一権集中が実態だ。

裁判員制度を行政府に都合よく利用させないためには、刑事裁判に制限するのではなく、行政裁判にこそ国民目線の判決を引き出す決め手として活用すべきだ。


さらに、裁判官の任命に裁判員の活用を導入し、行政府の介入を阻止する仕組みも求められる。

現場を体験しない裁判官の心を持たない形式的な判決や、行政府に都合の良い判決を導き出す御用判事の判決に接して、国民の存在がおざなりにされている気がした。

主権在民

私たち一人一人が「自分たちの持つべき権利について自覚を持つ」ことが求められていると思います。

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