・断熱性能を上げるリフォーム作業の流れ

こども部屋が設計温度より冷える状況を改善するために表面温度を計測したところ、明らかに断熱不足の場所を発見。
出窓下の腰壁が、測定時の外気温と室内温度からすると9度以上あってしかるべきところ8度しかなかった。
壁の断熱リフォームの初期に工事したところなので、技術不足があるはずだ。
無断熱状態を早期に解消するために大雑把な工事となっているためです。

打ち付けてあった板壁を剥がしてみると、やはり予想どおり。
外壁に面した場所にだけグラスウールが載せてある。
床下からの回り込みや出窓の床(断熱側から見ると天井)は無視している。
防湿対策もおざなりだから床下の一部は結露で湿っぽくなっていました。

          ◇                    ◇

床下への開口は新聞紙を丸めて塞ぎ、畳の上面の高さまで『籾殻』を敷き詰める。
構造材が入り組んで断熱材を充填しにくい部位でも籾殻なら隙間なく敷き詰められるので断熱欠損が生じない。
湿気に強いし、おまけにタダ。

出窓下の空間は下へと狭まって断面が三角形になっている。
一面にしか断熱材がなかったので、他の二面にもグラスウールを張りつけ、中間に出来る空間にもグラスウールを丸めて押し込む。
平均して250mmの断熱層ができる。

          ◇                    ◇

結露対策もしっかりやろうとすると防湿層を何で形成するかという課題に突き当たるが、グラスウールを梱包してあったビニール袋が丈夫でいいということを先日の玄関脇断熱リフォームで見つけたあった。
廃棄物を利用すれば費用がかからないし、ゴミも減らせる。
穴が開いていることがあるので、テープで目張りすることも忘れずに。

          ◇                    ◇

剥がした板壁には釘(フィニッシュネイル)がたくさん刺さっているので、丹念に抜き取ります。
これが結構な手間ですが、再利用するためですから手を抜けません。
元の通りに並べて釘打ちすれば元通り。
外観は何も変わりませんが、断熱性能は超高断熱。

断熱性能を現す熱貫流率は0.19(W/m2・K)
一部分だけぬきんでて断熱性能が高いのはバランスが悪いのですが、築30年超の在来木造の外観を変えずにリフォームする場合は、断熱性を稼げるところでできるだけやるのが常道です。
もちろん性能対コストを睨みつつですけどね。