・自衛隊よりも過酷な任務を全うする東電作業員

深刻な事態に陥っている福島原発では、消火のために自衛隊のヘリコプターから散水する非常手段が試行された。

しかし、上空の放射線濃度が規定よりも高いということで、自衛隊機は帰ってしまった。

上空の濃度は伝えられていないが、NHKによると自衛隊員の活動許容濃度は50ミリシーベルトだという。


下記の記事を見て欲しい。

東日本大震災:被ばく線量引き上げ 福島事故対応で

 福島第1原発の事故を受け厚生労働省は15日、同原発で作業にあたる人の被ばく線量の上限について、「100ミリシーベルト」から「250ミリシーベルト」に引き上げることを認めた。官邸から事故対応に必要として要請があり、労働安全衛生法規則の例外として認めた。厚労省によると、国際放射線防護委員会の90年の勧告は「500ミリシーベルトを超えない」と提言しており、これを踏まえた。


民間人である東京電力の作業員は250ミリシーベルトまで危険性を高めて災害への対処に当たらされている。

一方で、高度な危険を任務とする自衛隊員は50ミリシーベルトで撤退する。

この不整合を政府は、しっかりと説明して欲しい。 ⇒ 関連記事 綱渡りの放水作戦 被ばく基準、急きょ変更


次の記事が、現場の危険な状況を物語っている。

「使命感持って行く」=電力会社社員、福島へ―定年前に自ら志願

時事通信 3月16日(水)

 福島第1原発の事故で、情報提供の遅れなど東京電力の対応に批判が集まる一方、最悪の事態を避けるため、危険を顧みず作業に当たる同社や協力会社の社員もいる。地方の電力会社に勤務する島根県の男性(59)は、定年を半年後に控えながら、志願して応援のため福島へ向かった。
 会社員の娘(27)によると、男性は約40年にわたり原発の運転に従事し、9月に定年退職する予定だった。事故発生を受け、会社が募集した約20人の応援派遣に応じた。
 男性は13日、「今の対応で原発の未来が変わる。使命感を持って行きたい」と家族に告げ、志願したことを明かした。話を聞いた娘は、家ではあまり話さず、頼りなく感じることもある父を誇りに思い、涙が出そうになったという。
 東京電力側の受け入れ体制が整った15日朝、男性は自宅をたった。特別なことにしたくないと考えた娘は見送りはせず、普段通りに出勤した。「最初は行ってほしくなかったが、もし何かあっても、自分で決めたことなら悔いはないと思った」と話し、無事の帰宅を祈る。


最後に、事故現場では想像を超える極限の状態で本当に決死の覚悟で事故対応に当たっている状況が伝えられている。

被曝の恐怖、余震…真っ暗な建屋で決死の作業

読売新聞 3月15日(火)配信

 高濃度の放射性物質の放出が続く福島第一原発放射能汚染の恐怖と闘いながら、決死の作業が続く。

 15日朝に大きな爆発が起きた2号機。

 東電や協力企業の作業員ら800人が水の注入作業を行っていたが、爆発に伴い、「必要最小限」という50人を残し、750人が一時、現場から離れた。被曝(ひばく)を避けるため、放射線量が高くなると作業を中断しなければならない。15日午前、隣接する3号機付近で観測された400ミリ・シーベルトの環境下で作業できる時間は15分が限度。津波による被害で、停電も続く。

 照明がつかないため真っ暗な建屋内で、作業の効率はあがらない。余震が続く中、津波警報で作業の中断を余儀なくされることもある。400ミリ・シーベルトを記録したのは、作業員が携帯する放射線監視装置だった。

 12日午後、高圧になった1号機の格納容器内の蒸気を逃がすための弁が開放された。格納容器に亀裂が入る最悪の事態はまぬがれた。その弁を開ける作業にあたった男性は、100ミリ・シーベルト以上の放射線を浴び、吐き気やだるさを訴えて病院へ搬送された。

 もともと、この作業では、大量の放射線を浴びる危険があった。このため、1号機の構造に詳しいベテラン社員である当直長が作業を担当。「タイベック」と呼ばれる特殊な全身つなぎ服とマスクを身につけ、手早く弁を開けたが、10分超で一般人が1年に浴びてもいい放射線量の100倍にあたる放射線を浴びた。

テレビでは国の御用学者が、これだけの危機にもかかわらず「健康に影響が無いから安全だ」と言い続けている。

青島刑事の決め台詞ではないが、『事故はテレビ局で起きているんじゃない!現場で起きてるんだ!!』


自衛隊員を危険にさらせという意味に曲解しないように

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放水に放射線の壁 ヘリ投入「命がけ」
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110317k0000m040069000c.html

本日の発電量 56.2kwh

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