・超ローコスト高断熱窓を自作しよう 初級者編

冬になると結露に悩まされる。
暖房をガンガン効かせないければ寒い。
こんな悩みを抱えた住宅は日本に何十万軒もあるのだろう。
簡単手軽に悩みが解決できたら。
その可能性を探ってみましょう。

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トイレや洗面所の小窓が結露しやすい。
暖房しない部屋だから当然です。
ところが小窓だからこそ簡単に断熱・防露ができます。

中空ポリカーボネート板を使ったトイレの固定外窓。一番簡単なのは網戸のサッシレールを利用した外窓。
使う材料は、ホームセンターで売っている中空ポリカーボネート板(※1)だけ。
網戸レールの幅は約5ミリなので、中空ポリカーボネート板がピッタリと収まる。

製作のポイントは幅に隙間を生じないようにすること。
ダンボールで試作品を作ってから本番に臨むと失敗が少ない。
外窓をはめ込んだだけでも断熱性能は2倍(※2)に向上する。
シリコンシールで隙間を塞ぐとペアガラスを凌ぐ高断熱性を発揮します。

デメリットは、開け閉めが自由にできないこと。
開け閉めしたい人は、中級編にチャレンジしてください。

※1 商品名ツインカーボ等 長さ6尺×幅3尺×厚さ4ミリで2500円くらい。
※2 単板ガラスの熱貫流率6.54(W/m2・K)の逆数が熱抵抗値で0.153(m2・K/W)。これに中空ポリカーボネート板の熱抵抗0.075(m2・K/W)と非密閉空気層の熱抵抗0.09(m2・K/W)を加えて逆数にした3.15(W/m2・K)が外窓を追加した二重窓の熱貫流率。シリコンシールで隙間を塞ぐと空気層の熱抵抗が0.18(m2・K/W)に向上する。

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ガラス戸レールを使ったトイレの内窓。
内窓も中空ポリカーボネート板を使えば簡単にできる。
使用する材料は、
ガラス戸レール5ミリ幅(上、下)
両面テープとアルミテープ
網戸用すきまモヘヤシール
これだけ。

イメージは食器棚のガラス戸。
ガラス戸の代わりに中空ポリカーボネート板を使う。
小窓のアルミサッシ枠の手前の上下にガラス戸レールを両面テープで貼り付けます。

ここでも、ダンボールで試作しましょう。
引き違い戸として不具合がなければ本番の加工に移ります。
取っ手は適当な木片を外側から木ネジで取り付けただけでもOKですが、凝りたい人はホームセンターで物色してください。
切り口はアルミテープで綺麗に塞ぎましょう。

戸の寸法を決めるときに注意するのがサッシのクレセント(※3)の操作。
クレセントを回したときに内窓と干渉しないように。
出来上がったらレールにはめ込んで締めたときに前後の重なりの中心に『網戸用すみまモヘヤシール』を貼る。

両側の柱には、スポンジ製の「すきまテープ]を貼って完成。
すきまテープの代わりにレールを縦に貼るのもあり。
すべりが悪ければシリコンスプレーをレールにシュッと吹き付けると改善されます。

※3 クレセント:サッシを締めるカギ。

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上記の二つの窓を組み合わせると、サッシ枠の結露まで止まります。
ピタッと締る精度の良い施工ができなかったとしても、断熱性能(熱貫流率)は2.07(W/m2・K)。
これは超高断熱窓ガラス(※4)に匹敵します。

※4 超高断熱窓ガラス:ペアガラスの片面に遮熱層を有し、中間層にアルゴンガスを封入した遮熱高断熱複層ガラス

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初心者入門編はこちらを参照してください。 → 初心者入門編
外窓も開け閉めしたいという要望に応えるには、中級編に進みましょう。(検討中)