東名+名神か新東名+新名神か

新東名が開通して伊勢湾自動車道を経由して新名神を通れば、これまでよりも50kmも距離が短縮される。
最短距離を省エネで走りたいEVにとっては朗報のように思える。

ガソリン車なら気にしないだろうが、EVにとって新東名+新名神の勾配はズシリと重荷になる。
50kmも短いにもかかわらず走行に必要な消費電力はほぼ同じだからだ。

新東名+新名神は内陸部を通るから起伏の変化が厳しくなる。
積算標高は約8,400m。

Google マップで5時間11分


東名+名神は比較的平坦な地形を通るから起伏が緩やかになる。
積算標高は約4,400m。

Google マップで5時間46分


気温5℃、エアコン設定25℃で走ると、新東名は約84kWhを消費するが東名は約85kWhで、その差は1kWhしかない。
エアコンを使わない場合は両ルートともに70kWhになるから、50kmを走る時間のエアコン消費分だけの差だ。

消費電力が同じで走行時間が短いなら新東名の方が走りやすいように思えるが、そこが落とし穴だ。
起伏が厳しいのだから電費が悪くなり、バッテリー残量の予測が難しくなる。

東名ルートは平均電費6.4km/kWhだが、新東名ルートは5.9km/kWhに落ち込む。
難しいルートほどバッテリー残量に余裕を持たせたくなるから充電時間が長くなってしまう。
走行時間で短縮した35分を上回る充電時間になる可能性が高い。

新しいSAや複数台設置の充電器など新東名は魅力的だ。
何回も走っているなら新東名も安心だが、東名初心者は「旧道」の方が安全だろう。