・中部電力つながり
伊那市の市民団体が風力発電に反対する陳情を行いました。
総務委員会で審議されるようです。
これに対して伊那市長。
私はどちらかといえば賛成ではない
伊那市は本年度に新エネルギービジョンを策定する予定ですが、木質バイオマス・ペレット燃料といった新エネルギーを重視していると、信濃毎日新聞が報じていました。
この新エネルギービジョンは、駒ヶ根市でも策定されていますが、市民には内容が明らかにされていません。
NEDOという、国の税金でエネルギー政策を操る役所の資金で行われている事業ですが、中身よりも外見を繕うために使われているように思えます。
地球温暖化防止の視点で見ると、伊那市長も駒ヶ根市長もまったくと言って良いほど見識がない。
風力発電に反対して、木質バイオマスに頼ろうとするところなど、その典型です。
二酸化炭素の吸収源として、森林の役割を重要視していながら、樹木が固定化した二酸化炭素を燃料にして放出してしまったら何にもならない。
こんな簡単な矛盾さえも理解できていないレベルです。
樹木は伐採して木材として使いますが、製材で生じる端材や枝などを、木質バイオマス資源としてカウントしているはずです。
樹木から用材が取れる割合は、3割程度といわれていますから、固定化された二酸化炭素の7割が、大気に戻されることになってしまいます。
少しでも端材を加工して利用し、固定化された期間をなるべく長くする努力が必要です。
以前の割り箸は、このような廃材が活用されていました。
しかし、今では中国からの輸入が大半を占め、生産に使われるのは樹木が丸ごとの状態です。
割り箸ひとつとっても、エネルギー問題は簡単ではありません。
山に吹く風をどのように使うか、山の木を単に燃料として使うとどうなるか、ちゃんと勉強してから反対してもらいたい。
上伊那に電力を供給する中部電力の発電用資源構成は、
- 水力:10%
- 火力:70%
- 原子力:20%
で、化石燃料と原子力で90%を占めています。(平成18年5月分)
化石燃料が出す二酸化炭素をどの方法で減らすか、原子力で生じる未来まで有害な廃棄物をなくす方法は。
安易な新エネルギー依存で解決できる問題ではないし、景観と放射性廃棄物のどっちを選択するかなど、多面的に考える必要があります。
結論は簡単にはでませんから、日頃から自分の使っているエネルギーの出所を意識して、身の回りの環境との整合性を考えることが大事だと思います。