・政治家研修会のレポート4


  • 引き続き、厳しい視線で一新会の研修会をレポートしますが、政治家に市民の目線を理解してもらうことが目的ですので、客観的な事実として捉え、今後の改善に生かしてもらえるようにお願いします。


民主党的な行いを見せられてしまい、疑心暗鬼になったのですが、それを払拭する出来事もありました。
それを紹介する前に、公約、ポスター製作の活動についてちょっと触れておきます。


他の2班は、公約の選定と、ポスター製作です。
公約は政治家の信条を示すものですから、必要不可欠、得意中の得意であってもらわなければ困ります。
しかし、ポスターまで作るのはどうかな_と素朴な疑問です。


はっきり言って、ポスター製作は、政治家の本業ではないし、
支持者だって特技を持ち合わせていなければ良いものは作れないと思います。
案の定、出来上がったものは、中学生の標語コンクールと甲乙付けがたいレベル。
(小学生と言ったら真剣に非難されそうですから配慮しました)


特技を持っていないんだから当然です。
でも、中には他のポスターと次元の違う優れたものがありました。
後で分かったのですが、これを描いた方は本職のデザイナー。
でも、これが選ばれないんだから、政治の世界におられる方々のセンスは理解できない。
私にセンスがないのだと言い聞かせるしかない出来事でした。


こうして、各ブロックごとに創出されたキャッチコピー、吟味された公約、
かなり次元は低いが頑張ってお絵かきしたポスターが揃いました。
翌日、これらを持ち寄って選考会が開かれました。
プレゼンテーションの後に全体投票があって、当選したブロックの代表は「総理」になる仕組みです。


ゲームとしては、かなり凝った趣向です。
総理の座を目指して、賢明なプレゼンテーションが行われます_と言いたい所ですが、
そこは政治家の面々ですから、登壇したら自己PRが最優先します。


持ち時間の冒頭は、押し並べてブロックに参加している代議士の紹介です。
中には、差し迫った自分の選挙応援を乞う姿もありました。
これが常識なのだろうとすんなり理解できてしまうほどに、政治家と庶民感覚の違いに慣れてしまいました。


しかし、中に一人だけ異色の代表がいました。
持ち時間の後半を、「余計なことですが」と前置きして、

政治を目指す皆さん、政治を支えようとする皆さん、もっと勉強してください

思わず、私は拍手してしまいました。
私と同行した2人も合わせて、約600人の参加者のうち3人の拍手が際立っていました。


この方は、会場近在の高校の政経担当の先生です。
研修会のありようを見て、思わず苦言を呈したくなってしまったのです。
これを聞いた代議士たちは、かなりご立腹のようでしたが、
個人的なキャラクターが優れていたことが手伝って、なんと優勝してしまったのです。
キャッチと公約に見るべきものはありませんでしたが、ポスターのアイデアは視点が優れていたと思います。


しかし、個々のパーツの成績からすると、上回る作品もあったので、
優勝の勝因はプレゼン能力の高さだったと思います。
話の内容もさることながら、聴衆を生徒に見立てて自分の世界へ引き込んだ時点で勝ちが見えていました。
演説は、内容よりも話術であることを強く印象付けられました。
もちろん、主張の本質も評価されるべきですが、本論の公約で劣っていても演説で十分に逆転できる、
それどころか、ダントツの優勝を勝ち得ることが出来た事は、郵政民営化選挙の小泉さんを彷彿させます。


図らずも、政治を制するものの重要性を認識させられた課題となりました。
ただし、これには裏があるのではないかとの疑惑が、後から浮上してくるところに、
政治のらしさがあるんですが・・・。


明日は、森田氏による講演に続きます。