・公共事業増加の影にエイズ

長野県の予算配分が県民の生活重視から、支援者の経営重視に
転換しようとしているのは誰の目にも明らかですが、
金儲けの手先と化した村井知事による生活環境への影響はひしひしと迫ってきます。


毎日新聞 2007年2月16日の記事 「あらまほしき県予算:エイズ対策 否めないトーンダウン」

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 感染拡大に歯止めがかからない。昨年一年間に国内で報告されたHIVの新規感染者数は1304人。
84年の統計開始以来、最高を記録した。長野県も例外ではなく、昨年の新規感染者は27人。
10万人当たりの感染者数(02〜04年平均)は、全国で3番目に高い。


 保健所や拠点病院での迅速検査を導入するなど、エイズ対策に力を入れ始めた県。
来年度予算でも995万円を計上したが、前年度比で約270万円減で、目新しい施策はない。
田中康夫前知事が大々的にPRしたことに比べると、トーンダウンした感は否めない。


 佐久総合病院の感染症診療チームの高山義浩医師は「3段階の施策」の重要性を指摘する。

  1. 感染を防ぐための知識を普及する施策
  2. 感染した可能性が高い人に検査を勧め、早期発見する施策
  3. 感染者を支え、教育して感染を広げない施策−−だ。


 この基本に立ち返った時、県の目指す方向性が不明確と言わざるを得ない。
また、松本市エイズ対策で市民団体や市教委との連携を打ち出したことを考えれば、
県の検査普及だけでは限界がある。
感染爆発寸前と言われる今だからこそ、一歩踏み込んだ対策が求められている。

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「企業的な発想」による効率的な予算配分は、金銭収入の効率を優先した非人間的なものとなるだろう。
その結果、県民の健康を守るといった、金銭に換算できないものは見捨てられる。
村井知事の人間性が現われた予算だ。