・お役所言葉の健康診断

がん検診車

 肺がん検診の希望確認という書類が送られてきました。
駒ヶ根市でやっている健康診断で、検診方法の選択肢を増やしたから、
再度内容の確認と希望の確認を取るつもりのようです。


 ところが、案内文の説明が要領を得ないし、
文章がお役所言葉なので、意味がスーッと来ない。
中でも違和感たっぷりなのが、
「検診事業を遺憾のないように進めたいと存じますので・・・」


 見た瞬間、「遺漏のないように」の間違いだろうと思いました。
「遺憾」は、期待したようにならず残念に思うことを意味する言葉で、
健康診断を円滑に進めるための表現としては、適当なんだろうか?


 しかし、調べてみるとお役所言葉としては一般的に使われているらしい。
使い方は「遺漏のないように」とほとんど同じですが、どちらにしても日常では馴染みがない。


 参考までに滋賀県が発行している「役所ことば_改善の手引」によれば、
「遺憾のないよう」は、『適切に行うよう(処理するよう)』に書き改めるとなっています。
駒ヶ根市には改善の手引きがないのかな。


 さらに、検診の方法が、X線間接撮影と螺旋CTで選ぶようになっているが、
二種類の検査方法のメリットとデメリットが書かれていないので、選びようがない。
CTの方は断面を見られるようだが、だから何が分かるのか、検査の結果で違いがあるのか説明がない。


 国立がんセンターのサイトで確認したら、もちろん詳しい説明があって、
検査の効果も評価されているから、知りたいことと検査方法を見比べて選択できる。
でも、市から来た希望確認には基本情報がほとんどないので、費用と「なんとなく」で選ぶしかない。


 極めつけは、希望確認書として返信する「はがき」。
「下記1、2のどちらか1つを選択して○を記入」とありますが、「○」の記入欄がない。
一般的には、数字をまるで囲むとか、チェックを入れるための □ があったりするはず。


 さらに、「1.肺がんらせんCT検診希望」は、希望日に○をしてください、

  • 10月/16日・17日・・・。

しかし、2.肺がん胸部エックス線間接撮影検診希望」は、希望日を記入してください、

  • 6月/4日・5日・・・。

さらに下の段には希望日を書く欄がありますが、何でこんな、間違いやすい表現しかできないのか。


 間違えやすいといえば、A4紙面の「確認についてのお願い」では、

  • 肺がん胸部X線間接撮影、肺がん螺旋CT検査

返信はがきでは、

  • 1.肺がんらせんCT検診希望、2.肺がん胸部エックス線間接撮影検診希望

番号が逆になっているのはなぜだろう。


 うちの奥さんと一緒になって、頭を整理しながら、書き込む場所と書き方を入念に確かめながら、
どうにか検査方法を選んで書き終えましたが、本当に頭が疲れた。
市民の頭を疲れさせないように、分かりやすい文章を書くのも市の職員の仕事だと思います。


 4月は人事異動したばかりだから、この案内とはがきを作成した担当者は、
市民と接することのないお役所体質の部署から移動してきた人なんだろう。
市民の言葉でお知らせを書いて、市民が混乱しないように整理された通知が出せるように努力しましょうね。