・分け隔てのない教育環境を目指す

駒ヶ根市立東中学校文化祭駒ヶ根市の教育環境に喜ばしいニュースが入ってきました。

駒ヶ根市の中原市長が引退を決意したところで、やっと分け隔てのない地域教育に目覚めたのかもしれません。

長野日報の記事が状況を的確に伝えています。

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教育委員会から県伊那養護学校伊那市西箕輪)の分教室設置を打診されていた上伊那の市町村は、上伊那広域連合正副連合長会で9日、駒ケ根市へ設置する方向を決めた。

同市は小学部を中沢小学校(同市中沢)、中学部を東中学校(同市東伊那)の空き教室に設置する考え。

関係機関は今後、養護学校保護者、両小中学校の地元、各議会などの理解を得て、来年4月の設置を目指す。

県内ではモデル的に設置した3分教室(東、北信)があるが、南信地区への設置は初めてになる。


分教室は、地域の子どもを地域で育てようと、県が養護学校特別支援教育の地域化を図る中で、養護学校小、中学部、高等部の一部の教室を県、市町村立の学校内に設置する。

分教室に通う児童、生徒は、養護学校の計画、日課で学習し、必要に応じて養護学校での学習にも参加する。

分教室設置校との交流も計画的に行う。

分教室職員は養護学校から、障害の状況、児童、生徒数などを考慮し適正な人数を配置する。


障害の状況、通学距離など個々で事情が異なるため、本校、分教室のどちらに通学するかは各家庭が選択でき「学びの場の選択肢が広がる」(県教委特別支援教育課)。

さまざまな面で不安を抱える保護者もおり、養護学校等が学校選択について相談に応じる。


養護学校の児童、生徒数は10月1日現在、172人(小学部63、中学部37、高等部72)。

1998年度の94人に比べ、ほぼ倍増している。

伊南地区は現在、小学部19人、中学部6人、高等部22人の合計47人(全校の27.3%)が在校。

遠距離通学のため、以前から分教室の設置を求める声が保護者有志からあったという。


養護学校が今年度実施したアンケート調査などの結果、「分教室設置が全体的な要望になってきている」(県教委特別支援教育課)と判断した。

特別支援教育のセンター的機能を果たす養護学校は、分教室がそのサテライト的機能も有する。

障害者と健常者が共に助け合って暮らすノーマライゼーション、障害者と健常者が区別なく生活するインクルージョンの地域づくりへの意識高揚が期待される。


駒ケ根市の中原正純市長は「駒ケ根は県西駒郷が長い歴史を重ね、障害者の自立を促し、地域生活移行を積極的に進めてきた。

分教室設置は障害者福祉のまちづくりを将来にわたって創造していく上で有意義であり、大きな基盤になっていく」と話している。

中沢小、東中施設は、分教室設置のため改修等の必要はない見込み。