・地域のエネルギー資源を捨てずに

1時間に約5万キロワットの電力を作り出せる、国内最大規模のバイオマス発電施設=29日、千葉県市原市の三井造船千葉事業所〔共同上伊那のごみを焼却する施設の建設候補地が近く決定します。

伊那市に建設することは、ほぼ確定しているようですが、用地の絞込みの段階では地元の強い反対もあり、今後の紆余曲折が考えられます。

一見すると民主的な手法で進められている今回の論議も、点数化していることがすなわち科学的とは至らない問題点を含んでいます。


さらに、問題なのは、建設されようとしている施設があくまでも「ごみ焼却」を念頭の置いていることです。

時代を先取りするセンスを取り入れるならば、「ゴミ」という固定概念から解き放たれ『エネルギー資源』の活用施設の建設へと、視点を変えることが可能となります。


ゴミを減らす努力がもっとも必要ですが、市民一人一人の意識が低い現状では「ごみゼロ」はまだ先の目標とせざるを得ません。

近い将来にはゴミはなくなり、資源の二次利用方法として社会に受け入れられる日が来ると思いますが、それまでの”つなぎ”も必要です。


単なるごみ焼却施設でなく、次代へのつなぎに相応しいテクノロジーを取り入れるとしたら・・・。

ヒントになる技術はすでに実用化されています。

バイオマス発電施設を公開──国内最大規模


現在のように一次利用で終えたら「ゴミ」とされる社会から、このような資源の二次利用施設との連携を考慮した社会へとスムーズに移行させることが求められていると思います。

ごみ焼却場に隣接して廃熱利用の温水プールを作ったから二次利用だといって勘違いしているものも多く見受けられます。

処理施設のエネルギーが余っているからつくり足した温水施設と、エネルギー需要がある施設に隣接して処理施設を作るのでは、違いがはっきりしないかもしれませんが、効果はまったく違います。


上伊那に建設が予定されているごみ焼却施設が作り出すエネルギーを効率的に利用できる施設が伊那市にあります。

しかし、その場所は建設予定地から意図的に排除されました。

用地選定委員でもある伊那市議の強い意向が働いています。


「自分の地元には絶対持って来させない」

もっとも適切な場所に施設を作るとの理念は、最初からゆがめられています。

そもそも、市民主体となるはずの用地選定委員会で市議が1/3を占めていることが、伊那市以外の一般常識からすれば異常です。

市議会の力で用地を決定しても、市議会の責任で決定したことにはならないのですから、責任逃れの方策としては良く考えられていると感服します。