・雪道にノーマルタイヤは自殺行為

雪が積もる長野県内の道路をノーマルタイヤで走行するという暴挙で死亡事故が発生しました。

お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りします。

が、あまりに無謀です。

浜松市の方だったようですが、雪道の怖さを存じ上げていなかったようです。


数年前、伊豆に出かけた時のこと。

温暖な伊豆には似つかわしくない降雪に見舞われた。

亀石峠から宇佐美へ下る峠道は、自動車のスクラップがあちこちに散在していました。


ほとんどの車がノーマルタイヤなので、下り坂のカーブで凍結した路面という状況ではコントロールが全く効かない。

曲がれずに路肩へ突っ込む車が続出していました。

私たちが現場へ差しかかった頃、ちょうどパトカーが到着して交通規制になっていました。

タイヤをチェックしてノーマルタイヤの車は通行させません。


今でもはっきりと覚えていますが、私の車(松本ナンバー)を見た警官は思わず「二コッ」、そして「どうぞ〜!」。(もちろんスタッドレス装着だからですよ)

スクラップ車の展示場と化した峠道を無事に下って海岸線まで出ることができました。

冬は路面が凍結することが当たり前で、起伏に富んだ道路を走り慣れている駒ヶ根市民にとっては日常の延長だから無事に通り抜けて当然ですが、周りの状況があまりにも悲惨だったので安堵した心持になりました。


伊豆半島でも天城へ向かう予定の車は、スタッドレスを履いたりチェーンを携行するなどして準備していますが、海岸沿いの温泉地を目指している観光客は「雪」という条件を全く想定していない。

伊豆で(天城を除く)雪が積もるというのは通常はありえないので、無理もないことですが。

だからといってアイスバーンに飛び込んでいかなくても・・・。


雪道の経験がないと、「ぬれた路面」程度に軽く考えてしまうのでしょうか。

高速道路を使えば、ノーマルタイヤで雪国に入ることはできる。

しかし、一般道に降りたとたん自動車はコントロールの利かない凶器と化す。


道から飛び出して自損事故で済むなら幸運な方で、対向車を巻き込んでしまうことも多い。

今回の痛ましい事故もこのケースだったが、幸いにも対向車の運転手にけがはなかったようだ。


ノーマルタイヤの車で雪道の走行は絶対にだめですよ。

突然降り出した雪というならまだしも、降り積もった雪の中にノーマルタイヤで突入したのでは自殺行為です。

雪国以外から信州においでになる皆さん。

この時期は、冬タイヤを装着して来てください。

朝方や夕方は濡れているように見えて路面が凍結していることが頻繁にありますから、タイヤチェーンを携行していても何の役にも立たないことがあるからです。

ノーマルタイヤでOK!」といったスキー場の誇大な表現をまともに信じないでくださいね。