・楽で得する節電術(8) テレビ信州ゆうがたget! 2

昨日のテレビ信州「ゆうがたget!」の取材記録。
節電のポイントは概ね三つ。
エアコンの知られざる利用法は昨日紹介しましたので、今日は二つ目のポイント、扇風機の使い方です。

扇風機の風に当たれば涼しくなる。
これは太古の昔から使われている団扇(うちわ)が進化したんだから当然です。
でも、電力不足で取りざたされている扇風機の役割はエアコンの代役です。

エアコンと扇風機のもっとも大きな違いは、エアコンが熱を移動させる装置なのに対して、扇風機は風を送り出すだけ。
ざっくりと言ってしまえば、扇風機の基本機能は室外機を持たないエアコンと同じです。
ここが本日は大事になる。
扇風機で熱を移動させれば、エアコンの代わりとしての価値が高まるからです。

では室外機をどうするかですが、自然の力を借りましょう。
まずは、家の周りの夏の風向きを知ります。
普段、風を感じている人なら分っていると思いますが、分らない場合は最寄の気象観測所や自治体に問い合わせるなどしてしらべてください。

風上になる窓の外に植栽を設けます。
昔ながらのつくりの家なら、風上に庭があって庭木や草花が植えられていると思います。
最近の家は気象に合わせていない場合があるので、風上に庭が無いところもあるでしょうから工夫が必要です。

風上に設ける緑は、低中高の植生がバランスよく配置できると理想です。
さらに大きな葉よりも細い葉のものが密生しているとさらによい。
どうしてかというと、これらの葉がエアコンの室外機のフィン(羽)の役割を果たすからです。

葉は蒸散作用によって周囲の気温よりも冷たくなりますから、葉に触れた空気が冷やされます。
緑の室外機で冷やされた空気を窓から取り込みます。
ここで大事なものが風下になる窓です。

せっかく取り入れた涼しい空気も出口が無ければ行き止まり。
家の中を風が通り抜けるように窓や戸の開け閉めを工夫します。
我が家の例だと、南側の縁側に面した庭で冷やされた風を大きな掃き出し窓で取り込み、南北に通じる廊下を通り抜けて北側の洗面所と子ども部屋の窓から出て行きます。

風が通りぬける部屋は十分に涼しくなるのですが、廊下に面した居間が取り残されます。
ここで扇風機の出番です。
居間の廊下に面した戸を開けて、【廊下】に扇風機を置きます。廊下にです!
廊下を吹きぬける涼しい風を居間に送り込むためです。

扇風機からの風は天井に向けて送り込みます。
送り込まれた涼しい風が天井に吹き付けられ、天井から伝わっている熱気を帯びて比重が軽くなって戸の上側から廊下に出ます。
居間の窓を開けて熱くなった空気を外に出してもいいですね。
扇風機から送り込まれる風で熱を外へ移動させるんです。

扇風機で部屋の空気をぐるぐる回しても、体感温度は下がりますが室温は低くならないというか扇風機のモーターの発熱で暖められるだけ。
ところが、緑の室外機で涼しくされた風を送り届ける「送風機」として使えば、部屋の温度は確実に下がります。
熱の移動と風の流れをうまく使うために、扇風機を活躍させましょう。

エアコンを止めて扇風機を使いましょうとの宣伝をよく目にしますが、扇風機をエアコンの代わりに使うための説明がありません。
扇風機がエアコンの室内機の代わりにをするので、残された室外機の役割を何にさせるのかが抜け落ちています。
部屋を涼しくするために重要なのは、熱エネルギーを移動させるという認識を持つことです。

部屋に入り込んだ熱を外に出すために扇風機を使うが、本日のテーマでした。
さらに一歩進めて、部屋に熱を入り込ませないようにすればより涼しくなると気が付いた人は明日もお付き合いください。
つづく。。