・楽で得する節電術(4) エアコン選定の目安

シリーズでお届けしている節電のノウハウについての講座に向けての備忘録。
家庭内で最も電気を使うエアコン(クーラー)で節電を目指す。

今年の傾向として緑のカーテンが品薄だそうです。 ⇒ 県内ゴーヤー苗品薄 緑のカーテンに 節電意識広まり 【信濃毎日新聞】
ゴーヤの苗は売り切れ、支柱とネットなどの資材は生産が追い付かないメーカーも出ているという。
一過性のブームで終わらないでもらいたいですね。

緑のカーテンが、なぜ節電になるか?
日差しを遮るからですが、それだけではありません。
冷風扇」と同じ機能が発揮されるからです。 詳しくは、こちら ⇒ 冷風扇 Wikipedia

簡単に説明すると、水分をたっぷり含んだ葉のすき間を風が通り抜けると、葉の表面から水の蒸発が起こって気化熱が奪われて葉の表面温度が低下する。
その温度が低下した葉に触れた風の温度が低下する。
だから、気温が高くて相対湿度が低いときに有効ですが、蒸し暑いときには冷風扇効果は逆効果になり得ます。
外部から部屋に侵入してくる熱量を減らすことがエアコンの節電になるので、日射の遮蔽が有効ですが、緑のカーテンはさらに室温を下げてエアコンへの負担(負荷という)が減る。

エアコンが室内から排出する熱のほとんどは、躯体(家の構造体)を伝わって外から入ってきたものです。
昭和55年ごろまでの断熱されていない住宅の場合には熱を遮るものがないのでかなり暑くなります。
緑のカーテンでがんばって窓からの侵入熱を抑えても天井から熱が降り注いでくる感じです。

この頃に建てられた家の場合は、エアコンを選ぶ目安として一畳あたり西向き0.8kw、南向き0.5kw ケース(1)。
平成4年からは断熱基準が変わって、少し冷房負荷が減る傾向なので西向き0.5から0.7kw、南向き0.3から0.4kw ケース(2)。
さらに平成11年から次世代省エネ基準が適用され始めたので、いわゆる高断熱住宅だと西向き0.3から0.4kw、南向き0.2から0.3kw ケース(3)。

自分の住んでいる家の断熱性能を知っている方は少ないと思うので、一度確かめておくと良いです。
押入れの天井に屋根裏に通じる入り口が用意されていることが多いので探してください。
ここから天井裏を覗いて厚さ3cmくらいの断熱材だったらケース(1)、断熱材がなければケース(1)より多めに。
断熱材があっても5cmくらいの厚さならケース(2)、10cm以上の厚さならケース(3)が目安です。

平屋と二階建てでは違いがあるんですが、とりあえずの目安として参考にして下さい。
正確に知ろうと思ったら、熱負荷計算というものをやってみる必要があるんですが、これができるようになれば省エネの達人です。

「うちは高断熱住宅だからエアコンはいらないはず」と思い込んでいる方がいるとしたら勘違いです。
いくら高断熱でも外からの熱はじわじわと入り込んでくるし、内部発熱というのがあって人が生活している部屋なら程度の差はあっても暑くなります。
猛暑日が続くと樹木に囲まれた住宅でもない限り、エアコンのお世話にならないと家の中にいて熱中症になる可能性が生じます。

我が家は駒ヶ根にあって比較的冷涼なのでエアコンはありませんが、猛暑日にはやはり暑い。
でも、大きな落葉樹が南から西に数本あって日差しを遮ってくれているので、少しは涼しくなります。
だいたい5度くらいは下がるようなので、自然のエアコン効果も大したものです。

なんだか取り留めのない備忘録らしい内容になってしまいましたが、エアコンを選ぶときの目安にしてください。
ケース(1)〜(3)までの数字は部屋の広さ一畳あたりですので、参考にしてください。