燃費(電費)を決める要因 1.走行抵抗 (2)転がり抵抗

自動車が移動するためには、いろいろな部品が回転するので、そこで転がり抵抗が発生します。
主な転がり抵抗の要因は、
・タイヤの変形
・路面とタイヤの接地面との摩擦

タイヤが受ける空気抵抗を含めても、転がり抵抗へのタイヤの変形による影響は9割にも及ぶので、他の要因はほとんど無視できます。

なぜ、タイヤの変形が転がり抵抗の主要因になるのか?
自動車のタイヤは走行中、常に変形させられているからです。

アリがちな誤解の一例として「堅いタイヤは変形しにくいから燃費が良くなる」というのがある。
タイヤが完全な剛体なら、そうなるはずですが、実際は画像のように変形しているから「堅いタイヤほど変形しにくいからエネルギーロスが多くなり燃費が悪くなる」です。

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タイヤがどの程度燃費(電費)に影響するかというと、
一般的に燃費の良い運転ができるとされる信号や渋滞の無い快適な状態でドライブしていると、1/4はタイヤで燃費が決まってしまっている。

タイヤの転がり抵抗を減らすには低燃費タイヤの装着が手っ取り早いが、日頃の空気圧の管理を怠ると台無しです。
空気圧は自然に減るし、気温が下がればさらに減ります。
夏から冬へと季節が変わってもタイヤの空気圧を点検調整しなければ、燃費(電費)は5%悪くなる。
20kWhほどのエネルギーで走るEVだと1kWhに相当します。

転がり抵抗、転がり抵抗係数の関係を図示します。

《まとめ》

【転がり抵抗】
車輪がころがる際に生ずる路面との接触によるタイヤの変形エネルギー損失により発生する。ころがり抵抗係数と車両総重量に比例するが、車速には関係しない。
 Rr = Wμ
 Rr : 転がり抵抗(kg)
 W : 車両総重量(kg)
 μ : 転がり抵抗係数


○資料画像:「低燃費タイヤ等普及促進協議会」(経済産業省
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g90126bj.html
「資料3 タイヤが自動車燃費に与える影響について」を加工して作成。
経済産業省の利用許諾済