燃費(電費)を決める要因 1.走行抵抗 (1)加速抵抗

市街地や郊外で自動車を運転すると発進と停止を繰り返します。
この時に生じるのが加速抵抗です。
停止状態から定速まで速度を上げるために必要なエネルギーです。

逆に定速から停止状態までに得られるのが減速による回生エネルギーです。
EVやハイブリッド車回生ブレーキにより減速でエネルギーを回収します。
しかし、回収効率は良くても7〜8割、機械ブレーキ併用だと3〜4割まで下がってしまうので、この差が加速抵抗として残ります。

(回生イメージ図)

加速と減速を繰り返す回数が多くなるほど、回収できなかった加速抵抗が加算されます。
信号や渋滞だけでなく、曲がりくねった峠道でもカーブの手前で減速し、その後加速という操作を繰り返すので加速抵抗が生じます。

加速抵抗をほとんど回収する方法もあります。
減速時にエネルギー回生を行わずに自然減速させると最も回収効率が良くなります。
判りやすく言えば、惰性で走ったほうが回生ブレーキを使うよりも効率が良いということです。

ところで、リーフはマイナーチェンジによって航続可能距離が14%向上しましたが、回生ブレーキの性能向上が大きく貢献しているようです。
日産では公開していませんが実車による走行データーの比較から、マイナーチェンジで10%以上の回生量増加となっているようです。

《まとめ》

【加速抵抗】
加速する際に発生する抵抗で、加速度及び車両重量に比例する。
 Rc =b/g(W+ΔW)
 Rc : 加速抵抗(kg)
 b : 加速度(m/sec2)
 g : 重力の加速度(m/sec2)
 W : 車両総重量(kg)
 ΔW:駆動機構の回転部分の慣性相当重量(kg)


○資料画像:「低燃費タイヤ等普及促進協議会」(経済産業省
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g90126bj.html
「資料3 タイヤが自動車燃費に与える影響について」を加工して作成。
経済産業省の利用許諾済