燃費(電費)を決める要因 1.走行抵抗とは

自動車が走るために必要なエネルギー効率を一般的には燃費、EVでは電費と称しますが、その仕組みについてEV電力消費シミュレーターの開発で得られた情報を自分なりにまとめようと思います。
第一回は、走行抵抗の概要について。

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自動車の走行時には、
・速度を増すことによる加速抵抗
・タイヤの変形に伴う転がり抵抗
・空気抵抗
・坂道での勾配抵抗
・回転部分の摩擦抵抗
が作用し、これらの走行抵抗に打ち勝つために動力が使われます。


平地での定速走行時に作用する抵抗は、主に転がり抵抗と空気抵抗です。
低速では空気抵抗は小さく、タイヤの転がり抵抗の寄与が大きくなります。
しかし、空気抵抗は速度依存性が大きく、大体70 km/hを超えると走行抵抗への寄与は逆転するようになります。

10・15モードでの走行抵抗への寄与の構成※1は
・加速抵抗60%
・転がり抵抗20〜30%
・空気抵抗5〜10%
となっており、動力の大部分は加速に費やされています。

より日常の走行に近づけたJC08モードで寄与の構成※2は
・加速抵抗が54%
・転がり抵抗が23%
・空気抵抗が15%
・その他が8%
とされています。

加速抵抗の割合の大きさから、市街地や郊外での走行はアクセルとブレーキの使い方が燃費(電費)に大きく影響していることがわかります。

○参考資料 
※1タイヤと燃費 - 日本ゴム協会 豆知識
※2ブリヂストン、「断トツの低燃費を実現した」新コンセプトタイヤ説明会 2013年3月5日発表

○転載画像:「低燃費タイヤ等普及促進協議会」(経済産業省
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g90126bj.html
「資料3 タイヤが自動車燃費に与える影響について」を加工して作成。
経済産業省の利用許諾済