真夏の長距離走行でも電池温度をレッドゾーンに入れない走り方 3

東北一周2150kmの旅は復路が735kmだった。
往路の約800kmに比べると若干短いが、EVが一日に走る距離としてはかなり長距離だと思う。

一般道は約300kmで残りが高速道路。
電池温度が上がってからの高速道路の走行は電池の冷却が難しくなるが、気温差と日射の影響がない時間帯に走ることで克服できる。

<図−3> ※距離は出発日からの通算距離を示す。

一般道路を走行した300kmは電池温度が低い領域だったこともあり、電池温度は階段状に上昇していった。
会津若松の日産で充電を終えた時点で電池温度は45℃を超え、確実に電池温度を下げなければ次の充電で電池温度計がレッドゾーンに入ってしまう。

往路でも実証しているが高速道路を流れに乗って走ると電池温度はほとんど下がらない。
速度を落とせば電池温度の上昇を抑えられるかもしれないが、磐越自動車のような片側一車線の高速道路もどきの路線では、自分勝手な省エネ走行は迷惑行為でしかない。

速度を落とさずに電池温度を下げるには、日射の影響がなく、さらに気温が低い時間帯に走行する方法がある。
日射によってアスファルトが熱せられると、路面からの輻射熱で電池下部が加熱されて走行風による冷却効果が相殺されてしまう。

また、日が暮れていても都心のように気温が下がらない地域を走ると期待するほど電池温度が下がらないことがある。
高速道路を走行中に確実に電池温度下げるには、走行する時間帯とルートを的確に選択する必要がある。

会津若松から高速道路に乗った時間は午後の5時過ぎ。
気温は30℃を若干切ったくらいで涼しくはないが、日暮れ近くに曇りになってくれたこともあり期待通りに高速走行でも電池温度を下げることができた。

黒埼PAと米山SAでは、それぞれ充電により5℃近く電池温度が上がったが走行中に45℃まで冷却できている。
日没で気温が下がるにしたがって電池の冷却効果は高まってきた。

※電池温度抑制技術 3
・電池温度が高い状況で高速走行するなら、日暮れで気温が低い時間帯を狙う。

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しかし、走行中の電池冷却だけでは限界がある。
充電時間の最短化と併用することで、それ以上の電池温度の上昇を抑える。

※電池温度抑制技術 4
・レッドゾーン直前まで電池温度が上昇してもなお高速道路の流れに乗るためには、日没後でかつ充電時間の最短化を併用する。(妙高SA以降)

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1.電池温度が上がったら日が暮れて路面温度と気温が下がる時間帯に走る。 (温度差で冷却)
2.さらにレッドゾーン寸前でも高速走行を続けるなら充電時間を最短化する。(電池温度を上げない充電)


<日産への要望>
バッテリー容量が初期性能に近ければ充電時間を最短化しても余裕があるが、劣化して容量が減った環境では走行区間の消費電力を的確に見極める必要がある。
リーフのナビに搭載されている消費電力計算機能に、タイヤの性能や気温によるタイヤの転がり抵抗値の変化が反映できるように性能向上を望む。