・転換炉「ふげん」で強度不足

2月10日の毎日新聞によると、福井県敦賀市の新型転換炉「ふげん」の
原子炉補助建屋で判明したコンクリートの強度不足問題で、
日本原子力研究開発機構敦賀本部は10日午前、緊急会見を開き、

掘削してサンプルを取った6カ所の34地点のうち、5カ所の25地点で強度が設計基準を満たしていなかった

と、毎日新聞の報道を認めた。


その上で、同本部は「信じがたいデータ。サンプルの採取方法などに問題がなかったかも調べる」と話し、
早期に第三者の検査専門機関に依頼した詳細調査を検討することを明らかにした。


また、破壊検査で最も強度が低かった地点が設計基準の半分以下だったことも認めた。
だが、毎日新聞が報じた各個所ごとの詳細なデータについては
「信ぴょう性を確認している段階で、混乱を招く可能性がある」として、公表しなかった。


同本部安全品質推進室の山内辰也室長は、

建設当時の記録を見ても、施工管理はきちんと行われており、施工不良は考えにくい。日常的な目視点検でも異常は見つかっていなかった

と説明。
一方で、強度が大幅に下回った理由については、「現時点では不明で、何とも言えない」と述べるにとどまった。


ふげんは平成15年に運転を終了。
現在は廃炉準備中で、解体を通じて、他の原発の老朽化対策に反映させるさまざまな試験が行われている。
コンクリートの検査は昨年10月から実施。
昭和54年の運転開始から24年間の経年変化を調べるために行われていた。


原子力発電所のコンクリートが強度不足だったうえに、これに対する日本原子力研究開発機構のコメントが
「信じがたいデータ」「現時点では不明で、何とも言えない」では、
原発の信頼性を根幹から揺るがす大問題へと発展する可能性が高い。


原子力発電所が安全ではないことの証明は、安全だと思っていたものが過信であったと判明することで十分です。
強度の半分にも達していないコンクリート建屋は「砂上の楼閣」に相違ない。