・脱化石エネルギーのシナリオ①

水力利用

読者から水力・風力・太陽光発電に関する明快なご意見をいただいたので紹介します。

     ◇     ◇

水力発電ですが、「効率よく沢山集める」事が日本の地形では、非常に難しいのです。
水力発電は、水の落下エネルギーを電気エネルギーに変える発電方式です。
水車の大きさに見合った水量、取水口から水車までの十分な高低差がないと、発電効率は上げられません。
細い急流が徐々に合流し、大きな河川となり、早い流れで海まで到達してしまう日本の地形は、そもそも水力発電には不向きです。


小川程度の水量に発電施設を作っても、運用コストが売電利益を大きく上回りますので、事業として行う事は難しいでしょう。
比較的大きな川でも、「効率よく」となるとダム建設が前提となりますし・・・
それに、小さな発電施設を配電網に乗せようとすると、そこに至るまでの電力のロスが無視できないほど大きくなりますしね。
(全くの地産地消であれば、解決できる問題なのですが、現状の発電機技術だと、元になる発電量が足りません)


「小さな発電を沢山集める」と言う事であれば、やはり太陽発電が有力です。
高性能の燃料電池の開発も進んでいますし、将来的には、「電力は自家生産で補う」事も可能になるでしょう。
究極のエコロジーは、閉鎖系システムですので、その点から言っても、太陽発電は、唯一、ゴール到達が可能な発電方式です。


ただ、現在のところ、太陽発電は、基本的に自己資金で設置するしかないので、コストがかかり過ぎます。
また、電力会社にしてみれば太陽発電はうま味が少ないので、開発に今一つ乗り気ではなく、太陽発電の研究者は、研究費用確保にひーひー言っていますしね・・・


と言うことで、やはり当面有力なのは、風力発電でしょう。
現在〜3,40年は風力で補い、そこから徐々に太陽発電に切り替えると言うのが、もっとも現実的、かつ環境負荷が少ないシナリオだと思います。