・太陽光発電のずさんな訪問販売
先日、駒ヶ根市内の新聞に太陽光発電のモニター募集の広告が折り込まれました。
大手家電量販店の名前のついた代理店名なので、悪質な訪問販売業者ではなさそうです。
データー調査に協力してほしいという内容だったので、話を聞いてみることにしました。
電話をしたらその日のうちに担当者がやってきて、
「ご家庭の電気ガスの消費量と建物(屋根)の構造などの調査票を記入していただければ、初期費用と発電がうまくバランスするようなシステムをご提案します。」
そう言って調査票をおいていったので、昨年一年間の電気・ガスの使用量を調べて平均値と最大値を調査票に書き込み、屋根の構造なども答えて翌日渡しました。
我が家では、太陽熱温水器の詳細なデータ調査を続けており、発電でも同様に取り組んでみたい意思があると申し添えて。
システム提案に来る日が昨日でした。
担当者が二名来て、太陽光発電パネルが二種類組み込まれたデモ用装置の説明から始まります。
右が一般的な多結晶タイプで、左側が今回お勧めする単結晶タイプ。
懐中電灯の光をパネルに当てて、発電された電力で回転盤が回るんですが、その速さが異なる。
発電効率が20%程度違うんで、その効果が現れているとの説明です。
発電効率が違うんだなと感心しているところで同席していた知人が、おもむろに右側の多結晶型パネルに懐中電灯を二本とも置いてしまった。
受光量が二倍になったので、発電効率のハンデを補って余りある回転するはずが、やっぱり回転がそれほど速くならない。
あれっ?なんか変だなと思う。
インバータはどこのものを使っているのかと聞くと、やっぱり信頼の三菱でした。
それでも10年くらいが寿命ですよねと振ると、「保証期間が10年ありますから、9年ほど使ったらこちらでうまく故障させてしまいます。そうすれば新しいのが入りますよ。」
ええっ??それって不当行為じゃないの。
さらに、「行政の補助を受けようと思うと、システムの単価がキロワットあたり70万円くらいで制限されるから、高価な単結晶タイプは補助を受けられないですよね。」と話を向けると、
「補助金の条件に適合するように何とでも見積もりが作れます。」
今度は補助金の不正受給か!
何なんだ、この業者はと、不審が最大限に増幅したところで、「ところで我が家に設置した場合のシミュレーションを見せてもらえますか」と、本題に入る。
ところが、「発電のシミュレーションはできません。ノウハウもないし、へたに出したりすると実績値で下回ったりするとこっちが不利になるので、250kw(2.1kw型)に月数を掛けたものを年間の発電量としてお示しするだけです。」
なんだ、ただの訪問販売業者じゃないですか。
先に渡した電力やガスの使用実績は、オール電化を売り込むために聞いただけだという。
発電量のシミュレーションがなければ、どうやって太陽光発電装置のコスト回収の目安をつけるのかと畳み掛けると、ここよりも条件が悪い設置場所(長野市)の最近4ヶ月のデータを示して、
「このデータよりは発電するから・・・。」
場所も違えば、屋根の角度、方位もまったく違うのに、そのデータを参考にして200万円もの工事をしませんかと売り込むつもりのようだ。
日本最大の家電量販店の名前を冠した太陽光発電代理店の、お粗末な実態でした。
口八丁で売るだけが使命で、売った後はメーカーにすべて丸投げは家電量販店の販売戦略そのまま。
本当に緻密なデータ取得を目指しているなら協力してもいいかなと思っていたのに、完全に期待を裏切られました。