・暫定税率は国民ではなく小沢の声

小沢幹事長殿。

嘘はいけません、嘘は。

暫定税率の維持が「国民からの陳情」だと言い張っても、すでに陳情にはなかったことが明らかになっている。


民主党小沢一郎幹事長は21日昼、テレビ東京の番組収録で、ガソリン税などの暫定税率に関し「石油価格が安定しているので(暫定税率廃止の公約履行は)今回は勘弁してください、となった」と述べた。

暫定税率について「安易な廃止はやめてくれという陳情が多かった」と説明したという。


一方で、暫定税率の廃止は陳情にはなかったと、複数の民主党関係者が明らかにしている。

税率や所得制限、実際は陳情なし 「国民からの要望」に疑義 2009/12/18 02:02 【共同通信】

小沢さんがウソを言っているのか、共同通信社が記事をねつ造しているのか、どちらかということになる。

スクープでもないこの程度の記事を共同通信社が捏造するとはとても思えないので、小沢さんがウソをついているのだろう。


選挙をすべて取り仕切る小沢幹事長が嘘つきだと有権者に認知されたらどのような影響が出るのか、小沢さんが分からないはずはない。

それでも嘘をつくのは、国のための嘘なら国民は受け入れてくれるという思い込みがあるのではないか。

小沢さんの過去の言動からして、状況判断の間違いは珍しくない。

今回も読み違えていると思う。


嘘で塗り固められた政治は自民党の代名詞だったから、国民は辟易している。

嘘がいやだから自民党にサヨナラした有権者も多いのではないかと思う。

民主党が同じ轍を踏んでしまったら、国民の政治不信は一層深まってしまう。


現在の民主党に「嘘も方便」は通用しないと思った方がいい。

そういう政治を民主党に期待していないのだよ、国民は。


民主党の国会議員の多く、それも実力者たちが元をたどれば自民党籍だった。

自民党政治を脱却しようと試みているとはいえ、根っこのところでは自民党の本質を共有している。

今の民主党が国民から信頼されないのは、民主党内にはびこる自民党の遺伝子が影響していると思う。

田中角栄の秘蔵っ子といわれる小沢さんならなおさらだ。


気が付かないうちに自民党じみた政治感覚に陥っていることを早く気が付いてもらいたい。

老練な嘘は許せないが、清新な間違いなら受け入れる度量を持っているのが今の日本国民だと思う。

選挙期間中から感じていたことだが、民主党の新人議員にこの傾向が強く表れていた。

場当たり的なコメントを遊説先の状況に応じて使い分けることで、その場はしのげてもいずれは信頼を失っていく。

ローカルなマスコミは選挙に利用しやすいが、広域で記事を配信するマスコミには矛盾を指摘されるから嫌っていた。

こんな程度の低い人物が小沢チルドレンの中にいる。


親分である小沢幹事長が嘘も方便を使いこなすと、配下のボンクラ議員はそれ見たことかと図に乗ってしまう。

嘘は嘘、誠実な謝罪で信頼を回復してほしい。

その意味で、天皇陛下と中国の習近平国家副主席の特例会見について「憲法で規定している国事行為そのものではない」と述べ、外国要人との会見も国事行為との認識を示した前言を修正したのはよかった。

陳情も国民の声ではなく自分の思いを反映させたと、正直に言った方が傷が浅くて済むと思う。