・洋上風力発電で資源大国日本

【英国】世界最大の洋上風力発電が稼動:今後も大型計画が相次ぐ


 世界最大の洋上風力発電所が23日、英国南部のケント州沖で正式に稼動した。政府は再生可能エネルギーによる発電の柱として洋上風力を促進しており、今後、続々と大型プロジェクトが着工、完成する見通し。電力事業者や装置メーカーにとって一大産業が出現する形で、多くの企業に事業機会を与えると期待される。

 完成したのは「サネット(Thanet)」洋上風力発電所で、ケント州東端のフォアネス・ポイントから約12キロ離れた約35平方キロの海域に位置する。1基3,000キロワットの発電容量の風力タービン100基から成り、合計容量は30万キロワットで、現時点で洋上風力としては最大規模という。約20万世帯分の電力を発電できる。

 同日、現場海域で実施された開所式に参加したクリス・ヒューン・エネルギー・気候変動相は「英国は島国であり、洋上風力、波力および潮力の資源を最大限利用すべきだ」と述べ、同国のエネルギー政策における海洋関連エネルギー資源の重要性を強調した。同発電所の完成で英国の洋上風力の総発電容量は500万キロワットを超えた。

 同発電所スウェーデンの電力大手のバッテンフォールが所有、運営する。風力タービンはデンマークのベスタスが供給した。バッテンフォールは既に稼動中の洋上風力発電所「ケンティッシュ・フラッツ(Kentish Flats)」を運営するなど英国の洋上風力発電に積極的に投資している。

 ■10年後の再生エネ比率は15%に

 政府は2020年までに発電量の中で風力など再生可能エネルギーが占める割合を15%まで高めたい考え。政府と産業界による共同研究組織のオフショア・バリュエーション・グループの試算によれば、風力、波力・潮力を含めた海洋エネルギーで利用可能な資源の29%を活用すれば、2050年に国内需要以上の電力を発電できるという。

 英国沿岸では大規模な洋上風力発電所の建設が相次いでいる。独エネルギー最大手のエーオンなど3社はケント州沖で「ロンドン・アレー(London Array)」を建設中で、完成すると100万キロワットの容量となりサネットを抜く。

 洋上風力発電は成長が見込まれる一方、将来の投資資金不足も指摘されている。  =NNA 9月24日=

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イギリスの話ではありますが、周囲を海に囲まれているという環境は日本もまったく同じ。

地震のリスクがあるなど同列には論じられない点もあるかもしれませんが、資源輸入国日本としては自前のエネルギー資源として早急に実現に向けて動き出す必要があります。

原子力発電に頼ることを思えば、洋上風力発電のリスクはほとんど問題にならないと思います。