・放射線うつると言わないように

福島原発の事故から逃れて千葉県船橋市に避難した子どもが「放射線がうつる」などと言われ、いじめられたとして同市教育委員会は、児童、生徒への適切な指導を求める通達を、市内の小中学校計83校に出しました。

福島県から避難し船橋市内の公園で遊んでいた小学生のきょうだいが3月中旬、別の子どもたちにいじめられたという。

市教委からの通達は、指導に当たっては「思いやりを持って接し、温かく迎える」「避難している人の気持ちを考えて言動に注意する」など避難している子どもたちへの配慮を要請している。

「(放射線に対する)大人の不安が子どもたちに影響を与え、冷静な対応が取れなくなる恐れがある」と保護者と連携した対応の重要性も指摘していることも重要です。


原子力事故のレベルが最悪のレベル7に引き上げられたことで、放射線への恐怖心を持つなという方が難しい状況になっています。

原発は安全だ、原子炉は安定しているとしていた国の発表を鵜呑みにしていた人ほど、ショックが大きいのではないでしょうか。

不安を煽らないようにしたのかもしれませんが、政府の事故に対する評価の変遷はまったく逆効果だった。


いじめた子どもを叱るのはかわいそうでしょう。

親と一緒に原発事故をテレビで見て、親の反応から原発から逃げてきた子どもと放射能を結びつけるようになったと考えられます。

テレビの向こう側で起こっている凄惨な事故を子どもにやさしく伝えるのは簡単なことではありませんが、感受性の高い子どもが過敏に反応したり、間違った解釈をしないように、丁寧に導くのが親の役割ではないでしょうか。


日本人が海外旅行先の列車で「お前日本人か」と問われ、「そうです」と答えると、その外国人は離れた席に移動したという話をテレビで耳にしたことがあります。

日本の製品が輸入先から放射線測定証明書を求められているというニュースも目にします。

こういった偏見が子どもの脳裏に悪い影響を与えているのではないか。


テレビ漬けの今の子どもたちをテレビから引き離すことは難しいと思うので、親が一緒に見て、適切にフォローすることが大事だと思います。

震災や大津波災害、原発事故が子どもたちの心に良い影響を与えるとは思えないので、できる限りボランティア活動や復興を目指す被災者の姿などを見せるように配慮してもらいたい。

小中学校の指導も通り一遍ではなく、子どもが被災者を理解し、すなおに受け入れられるように導いてもらいたい。


原発事故への政府の対応には腹立たしく思うこともあるが、事故現場では本当に命を懸けて原子炉を冷却している。

かろうじて安定を保っている今の状況を、少しでも悪化させないように関係者は必死の努力を続けているはずだ。

事態は、テレビで楽観論を言い続ける専門家の説明とは異なり、危ういバランスの上で最悪の事態への転落を防いでいることが分かってきた。


これから長い年月、日本は放射能汚染との共存を迫られる。

平常時の放射線の安全基準は、いつの間にか消え去って、非常時のそれに置き換えられている。

気が付かないように放射線被害が当たり前の日本社会が形作られていることに、注意深く猜疑心を向けていくことも大事だろう。


子どもの心に疑念を持たせないようにしながら、大人は猜疑心を持ち続けるという、難しい気配りが求められているような気がします。

本日の発電量 72.8kwh

気温が上昇してきたので発電効率が落ちてきた。

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