・楽で得する節電術(5) 待機電力を測る

浜岡原発を停止した中部電力の電力不足が生活に影響を与えそうな雰囲気になってきました。
関西電力の発電余力がなくなりそうだからです。
関電が所有する停止中の原発の多くが再稼動の見込みがつきません。
当然ですよね。危険なんですから。

ところが、佐賀県玄海町の町長は、九州電力玄海原発の再稼動を認める方針を示しました。
原発利権で成り立つ自治体の苦悩なんでしょうか。
苦悩どころか洗脳なのかもしれませんが。。
佐賀県知事が利権に与することが無いことを期待しましょう。

話は元に戻って中部電力の電力不足に対応しなければなりません。
節電ですね。
これまでも、節電の講習会への備忘録として家庭でできる節電について考えきましたが、主にピークカットに注目してしてきました。

電力不足は夏だけでは終わらないので、夏のピークカットのための節電だけでは片手落ちです。
年間を通して消費電力を下げられれば、電気代も安くなって温暖化防止にもなるので是非取り組みましょう。
では何からはじめるか。

待機電力を知りましょう。
言葉は知っていると思いますが、自分の家ではどのくらいあるのか知っている人は少ないでしょう。
簡単に知る方法があります。

           ◇                    ◇

使うのはストップウォッチと電卓だけ。
電力会社の電力メーターの回転板の回転時間を計ることで待機電力がわかる。

1.朝など比較的電力消費のすくない状態の時刻を選ぶ

2.電気冷蔵庫、保温洗浄便座のコンセントを抜く(家庭内で常に電力を消費しているため)

3.わかる限りの場所の照明電球など、テレビなど電気製品のスイッチを切る。(テレビ、VTR、オーデイオなどの時刻表示部分などを普段表示させている場合には、これが待機電力になるので、その時刻表示などはそのままにしておく)

4.もし、どうしても電源をOFFにしたくない電気製品があるときには、そのままにして、あとでこの消費電力(W)を引き算する。

5.積算電力計の計器定数を見る

積算電力計のデジタル表示部分の下 (あるいは付近)に「計器定数」として「1kWhあたりの回転数」が、 「rev/kWh」で表示されている。
この数値は電力計により異なり、例えば 150rev/kWh、300rev/kWh、 600rev/kWhなどのように表示されて いる。この数字(N)をメモする。

6.積算電力計の1回転の時間を測る
電力計ではAL板(アルミニウム板)が回転している。 1回転ごとに黒いマークが正面に現れる。ストップウオッチを使って、AL板にある黒いマークが1回転する時間(t秒)を計る。
回転状態を見ていると、速くなったり、遅くなったりすることがあるが、これは家中の電気製品のスイッチがON/OFFしているためである。このような場合には、黒いマークが2回か4回ちょうど正面にくるまでの時間を計り、回数で割って1回転に要する平均時間(t秒)を求める。この測定に必要な時間は、4−20分程度である。
(冷蔵庫はこの程度の時間ならOFFにしても問題は少ない)

7.待機電力を計算する
以上の計測により、待機電力は以下のように計算できる。
S=3600×1000/(txN)
S:待機電力(W、ワット)
t:AL板が1回転する時間(秒)
N:計器定数(rev/kWh)

8.待機電力の割合を計算する

最近の電力会社からの請求伝票をみる。そこにある月間電力消費がX kWhであったならば、待機電力の割合は以下のようになる。
(その伝票の月が30日の場合には)
R=(S×30日×24時/1000)×100/X (%)=S×72/X (%)
省エネルギーになりそうなところを探す。使用しないエアコン、ラジオ、オーデイオなどの電気製品のSWを切り、ブレーカーを落として再度測定する。詳細に待機電力の原因がわかり、省エネルギー対策をたてることができる。

毎月この測定を行って、1年分の記録を作ると、季節変動や月間変動を知ることもできる。

詳しくは、こちらを参照してください。 ⇒ 待機電力の測り方

一見すると難しそうですが、理科の実験をすると思ってやってみると、自分の家の待機電力がばっちり分って節電への意識がガラっと変わりますよ