・バッテリー寿命を伸ばす充電方法

リーフのバッテリーは、充電方法が寿命に影響することがわかっている。

日産が提供している情報だと。
・100%充電と80%充電を比較すると5年で約4%程度の違いがある。(80%の方が良い)
・充電回数は少ない方がよく、7、8割使用してから充電するのがベター。
組み合わせると、普通充電にて容量の80%まで充電して、残量が20〜30%になるまでの使用、すなわち全容量に対して50〜60%を利用する充電サイクルがバッテリーへの負担が少なくなるようだ。

これは、一般的なリチウムイオン電池の放電深度とサイクル寿命に関する資料からも裏付けられる。
下のグラフは放電深度がバッテリー容量の変化とサイクル寿命(充放電回数)に与える影響を表している。
ここで、充放電回数はすべて100%放電に換算した場合である。

バッテリー容量の低下80%までの範囲で、放電深度50%近辺がもっともサイクル寿命が長くなっている。
リチウムイオン電池は小刻みに充電したり、空になってから充電するよりも、全容量の50%強を消費してから充電する使い方が長持ちするということだ。
日産が推奨するバッテリーの使い方と符合する。


上図の元になっているのは下図のグラフです。
エジソンパワートップページ > リチウムイオン電池とは? > 放電特性に関して

このグラフを読み間違えて、放電深度が浅いほどサイクル寿命が長くなると誤解している人がいる。
同じ電力を得ようとすると、DOD20%ならDOD100%の5倍の充放電回数が必要だということを見落としているからだろうと思います。


また、下図は使う領域が寿命に与える影響を表している。
半分の容量を使うという条件なら、100%から50%まで使うよりも、50%から0%まで使った方がいい。
同じ容量を使うなら、満充電から使うよりも、空になるまで使った方が寿命が長いということになる。

「小形リチウムイオン電池の寿命特性 NTTバッテリー技術部長 市村雅弘氏」

これを拡大解釈すると、電池の容量に対して60%の電力を消費する場合、100%の満充電から40%まで使うよりも、ロングライフモードで80%充電してから20%まで使ったほうが寿命に与える影響が少ないと考えられる。
リーフの電池残量計はレッドゾーンの印のある2セグメントで20%以下を示していると考えられるから、ここに達する前ということになる。

結論としては、リーフのバッテリー寿命を延ばすには、ロングライフモードで充電して、電池残量計が2セグメントを目安に充電するのが適当だといえる。
ただし、バッテリー残量が減ってから急加速などの過大な負荷をかけると一気に発熱するようだから、おとなしい運転を心掛けることが前提条件です。


※一番下の資料は、コバルト系正極を用いたリチウムイオン電池に関するものであり、Ni-Co-Mn 系複合正極を用いたリーフの電池では異なる結果が出ることも予想される。