12Vバッテリーの過放電に注意

リチウムイオンバッテリーを加温するために取りつけたウォーマー(ホットカーペット)の性能試験で気になったことがある。
12Vバッテリーが過放電していたことに後から気が付いた。

もっとも下がった電圧は10.56Vだった。
12Vの鉛バッテリでの下限電圧(放電終止電圧)は10.5〜10.8Vと言われている。

一般的にバッテリ電圧が概ね11V以下になった状態を過放電としているが、過放電状態になると著しくサルフェーションが進行し、再充電したとしても使えるバッテリには戻らないことがある。
大変に危険な状態だった。

我が家のリーフはディープサイクルバッテリーに換えているから、短時間の過放電には耐えられるが、純正のバッテリーだと一発でOUT!
以前に純正バッテリーがダメになったのも、こうした状況によるものではないかと思う。


過放電になった状況はこうだ。
バッテリーウォーマーの連続試験データを取得するためにスマホでLeafSpyを作動させる。
スマホに充電するためにリーフのパワースイッチをONにする。
パワースイッチがONならば12Vバッテリーには走行用リチウムイオンバッテリーから充電されるはずだから。※ここが重要。

ところが、実際の12Vバッテリー電圧はグラフのように下がり始めた。

原因は充電ケーブルを接続してあったからだ。
充電ケーブルが接続されていても200Vの普通充電状態になっていなければ12Vバッテリーは放電するだけで充電されない仕組みになっている。

グラフがポンッ!と跳ね上がるのはケーブルを抜いた時。
その後は12.6V−14.6Vで制御されている。
たまたま別の都合で抜いたのであって12Vバッテリーのためではなかった。
これが無ければさらに深放電してディープサイクルバッテリーといえども障害が発生していた可能性がある。


パワースイッチがONになっていても12Vバッテリーが過放電する場合がある。
充電ケーブルをつないでも通電していない、もしくは通電しても充電していない時が危ない。

EVカスタマーセンターに確認したが、12Vバッテリーの補充電に関する資料に充電ケーブルの有無の記載がない。
間違った情報をユーザーに伝え続けていたのだ。

12Vバッテリーが劣化して交換したと思われていたものの中に、今回の事象による過放電が原因している場合があるかもしれない。
EVカスタマーセンターには、これまで提供してきた誤情報を訂正するように要請したが、過去の例からして期待はできない。

ユーザー間で情報を共有していきたいと思う。