リーフに乗り始めて一年の記録 最終回

リーフに乗り始めて一年の記録の最終回です。
エコロジー特性を分析しました。

一年間の充電量は、
自宅充電  1,229kWh
旅先充電   136kWh
急速充電  1,030kWh
乗前A/C    71kWh

《総充電量》
急速充電のモニターに表示されるのは『充電された量』と推測されるので、充電器の充電効率(90%)を考慮すると充電するために消費した電力量は、
1,030kWh÷90%=1144kWhになる。
この場合の総充電量は、2580kWh(1)です。

エコロジー度》
充電に利用した電源が何を資源として発電しているかによってエコロジー度が変わるが、一方でカーボンオフセットの考え方を当てはめることも可能です。
今回は、我が家から社会に提供した電力と充電に使用した電力で比較します。

昨年9月から今年8月までの一年間に、中部電力に提供(売電)した電力量は41,453kWhです。(自家消費分は差し引きし済)
家庭と事業で消費するために購入した電力量は一年間で約2,500kWh。
この一年間で差し引き約39,000kWh(2)を社会に供給しています。

社会に提供した電力量(2)はリーフで消費した電力量(1)の15倍に相当しています。
明らかにカーボンオフセットが成り立っているので、我が家がリーフに乗ることで地球温暖化に与える影響は無いとみなせます。

《総評》
EVがエコかという問いに答えるには、一つにはユーザーの生活が与える環境負荷が重要です。
化石燃料を消費するだけの生活スタイルだと、現在の発電資源が化石燃料を主に使用していることからするとEVは低燃費ガソリン車との優位性が少なくなってしまいます。

もうひとつは、充電器の電源に何が使われているか。
現時点は急速充電器にディーゼル発電機が接続されている様子が発電実情をイメージしやすいですが、風力や太陽光発電に接続されている急速充電器ならエコ度は最高ですね。
走行中は排気ガスを出さなくても、大量のCO2を排出して得られた電力を使うなら、先にCO2を出しているから走れる車ということになります。
後にも先にもCO2を出さない車が理想です。

総合的なエネルギー効率の高さからEVは十分にエコですが、エコの中身も重要です。
CO2の排出を伴う発電によって得られた電力で走っている現実から脱するには、一番は電力会社の自然エネルギー化の促進ですが、ユーザーの立場なら自然エネルギーの活用でカーボンオフセットへの努力だと思います。
自宅に太陽光発電を設置する直接的な手段の他にも、グリーン電力への投資、電力の自由化が進めばグリーン電力に切り替えることで「我が家のリーフは環境負荷が少ないエコロジーな車」と胸を張って言えるようになると思います。

カーボンオフセットとは。
http://www.j-cof.go.jp/cof/