日産が放置し続ける電費のバグ

後期型リーフの情報が末端のディーラーまで行き渡ったようですが、詳細は不明です。
エマージェンシーブレーキなどの新たな装備も加えられて魅力は増したと思いますが、初期型や中期型でも改善されなかったナビのバグに手が入るのか懸念しています。

ナビのバグについては過去にも取り上げましたが、検証するためには電費シミュレーターが必要なために、バグの存在を指摘できるユーザーは他にはほとんどいません。
日産にはバグの具体的な報告も上げていますが、ほとんどのユーザーは気が付けないので、改善せずに放置されています。

そのバグとは、標高差のあるルートを走行する場合に、最高地点でメインスイッチをOFF/ONすると、下り始めてからの電費が実態とかけ離れてしまう現象です。
標高差が少なければCPUのバッファで処理できますが、数百メートルを一気に下るような状況ではバッファの容量を超えてしまい、電費が過少に表示されていしまいます。

最近の実例では、標高差千メートルを一気に上がって下る高ボッチ高原で症状が現れました。

カーウィングスに記録されたデーターでは、高ボッチ高原を上り切った地点から諏訪大社下社春宮まで
距離:18.6km
消費電力:0.19kWh
電費:99.9km/kWh
で、微細な電力を消費したことになっていますが、

電費シミュレーターによる検証では
距離:18.6km
消費電力:-1.4kWh
電費:-13.5km/kWh
で、実際には充電された状態になっています。

LeafSpyのGIDs値も頂上で85でしたが、下り切ったところでは103まで増加しています。
電費シミュレーターの検証結果とピタリ符合しました。


リーフの演算処理では、電費は最大でも99.9km/kWhでなければならず、回生電力>消費電力を処理することができません。

上記の区間で1.4kWhの演算間違いが生じたために、その後の電費は架空の数字を表示し続けます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

このバグを改善するには、マイナスの電費を計算できるようにするか、バッファを標高差二千メートル分(約5kWh)に増量するか、です。
どちらもそれほど難しくはないと思いますが、日産がまじめに取り組むとも思えません。

電費表示が狂ったからと言って安全性に支障が出ることもなく、症状を指摘するユーザーが極めて限られた状況では放置する可能性が高いからです。

ばれなければ不正にも手を染めるのが車業界だということをVWの問題が明らかにしました。
VWの不正に比べれば、電費のバグなど大したことではないと日産では考えてしまうかもしれません。

マイナーチェンジで改善したかどうか実車に試乗する機会があれば確認してみたいと思います。