・国際情勢に疎い国際感覚

駒ヶ根市はネパール王国ポカラ市と国際協力友好都市協定を結んでいます。
市のHPによると↓だそうです。

当市では、地域住民に国際化を育むことをまちづくりの柱として啓蒙してきた(中略)深まりつつあるネパール王国との交流を一層推進し、地域住民の国際感覚の育成並びにボランティア意識の高揚を図るべく・・・


また、ポカラ市訪問団というのがあって、相互に市民が訪問しているらしい。
ところが、それがドタキャンされました。
・伊那毎日新聞 『ポカラ市訪問団来駒キャンセル』
理由は、「訪問団員の選抜方法などをめぐってトラブルが起きたため」となってますが、正確なところは不明。
ネパールは身分階級が厳然と生きている国ですから、選抜には公平さなんてものは元々期待できません。
国内で何かあったと考えた方が理解しやすい。


ネパール王国は、治安状態が悪化して渡航危険情報が出されているはず。
調べてみたら、やっぱりそうでした。
・ネパールに対する渡航情報(危険情報)の発出(2006/04/28)


しかし、気になるのは伊那毎日新聞の記事。

駒ケ根市側でも秋までに市民の希望者らによる訪問団を結成し、11月にポカラ市を訪れる計画を立てているが、今のところ訪問の中止や計画変更などの考えはないという。


危険情報が出されている地域に、市民の訪問団を連れて行こうとする駒ヶ根市は、国際情勢をどう判断しているのか理解に苦しみます。
危険度情報としては低い「十分注意してください」ではありますが、概要を見るととっても危険な場所だと思えてしまう。

上記の郡では、治安部隊とマオイストとの交戦や爆弾事件等が散発的に発生しています。
2005年来カトマンズ盆地(カトマンズ郡、ラリトプール郡、バクタプール郡)では、治安情勢が安定していました。
然るに、2006年4月6日以降は多数のデモ隊と治安部隊の衝突が続き、治安部隊の発砲により死傷者が出ましたが、4月24日、国王が下院を復活させる旨表明したため、混乱は一応収束しました。
西部パルパ郡タンセン市では同年1月31日、マオイストが政府軍基地、警察署等を同時に襲撃し、44人が死傷しています。
中部マクワンプール郡では同年1月21日、襲撃のために集結していたマオイストと政府軍が交戦し、一般人3人を含む合計50人が死傷しました。
ポカラを起点とするアンナプルナ方面では、マオイストがトレッカーから金銭を徴収する事例が多発しており、日本人の被害報告も寄せられています。
つきましては、上記地域へ渡航する際は、最新の治安情報を入手し、慎重に渡航計画を立ててください。


自己責任で渡航しようとする旅行者を引き止めるつもりはありませんが、
自治体が主体となって市民訪問団を結成して訪れてよい場所とは思えません。
市では、地域住民に向けて国際化や国際感覚の育成を言っていますが、駒ヶ根市自体の国際感覚の欠如が疑われます。


市のHPには、ネパール王国ポカラ市の簡単な説明しかなく、現状の治安情勢には一言も触れていません。
・ネパール王国ポカラ市
国際協力友好都市協定を結んでいるのですから、駒ヶ根市は、市民に対してポカラ市が置かれている現在の状況を説明する責任があります。
友好都市としてふさわしいかどうか、市民が判断するための基本的な情報も出さないままで、市民を訪問させるのはあまりにも無責任だと思います。


ネパール交流市民の会(事務局駒ヶ根市)の活動内容にはこう書かれています。

『ネパール王国に関する知識を普及し、地域住民各層の理解を深める。』

今後の駒ヶ根市の対応に注目です。


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