・無意味だが、しなくてはならない

100万人のキャンドルナイトよりライトダウンキャンペーンとかキャンドルナイトなどという言葉を耳にする機会が増えています。

夜間の一定時間、電気を消して生活しようというものです。


『日頃いかに、照明を使用しているかを実感して、生活の中で温暖化対策を実践する動機付けを与えていく』

『電気を消すからCO2削減になる。』

どちらの理由にも無理があることが、地球温暖化対策の難しさをあらわしています。


『動機付け』は反面、我慢を強いられるとの思い込みを招きやすい。

温暖化防止には生活の便利さを我慢することが求められていると勘違いされる危険性が、かなり高いからです。


キャンドルナイトなどの主催者や参加者のほとんどは環境問題への意識が高い人たちだから感じないでしょうが、意識の低い人たちにしてみれば

「真っ暗な夜にろうそくの明かりで我慢しなければならないのか・・・。」

温暖化防止の活動と、生活の利便性を天秤にかける習性が、知らず知らずと摺りこまれてしまうかも。


また、夜間電力、特に深夜電力のCO2発生は、昼間電力に比べてずっと低いことはこれまでにも述べてきました。

  1. 夜間の主発電源である水力や原子力は環境破壊はすさまじいが、運転によるCO2排出はかなり少ない。
  2. 夜間電力が抑えられても、火力発電量の削減にはつながらないから排出抑制にならない。

この二点において、夜間のエネルギー消費に重点を置いたライトダウンキャンペーンは温暖化防止の本質からは逸れています。


温暖化防止の必要性を感じていない人たちの共感を呼び、CO2排出源の火力発電施設を縮小するためにライトダウンキャンペーンはほとんど役に立っていません。

環境意識の高い集団やその予備軍の、さらなる意識向上には役立っていると思いますが。


がんばることは大切だと思いますが、がんばった割には成果が上がらない取り組みだと思います。

ただし、マハトマ・ガンジーの教えは大切です。


あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。
そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである。