・温暖化を加速させる切捨て間伐

県のHPにある実際と異なる間伐された林。 ほとんどの現場は切り捨てられた間伐材が転がっている。長野県が県民から徴収し始めた森林税が活かされていない実情が浮かび上がってきた。

森林関係者からは、「金だけ集めても受け入れる体制が整っていない」と森林税に反対する声があった。

間伐予算が増額されることは歓迎したいが、一過性の補助金は永続的な森林造成にはデメリットもあり、素直に喜べない。


県内の地方事務所は、間伐面積の拡大に熱心になっている。

温暖化対策で国の補助金が一気に増えたことも後押ししている。

しかし、「間伐」が目的となってしまったために、切られた木を生かす視点がお役人には無い。


間伐された面積が実績として評価されるために、切捨て間伐が横行してしまう。

間伐された木を生かしてこそ温暖化防止に役立つはずだが、補助金の条件さえ整えば山の木が生きようが死のうがお構いなしの役人の言葉に、山師たちは悩まされている。

山仕事が増えるのはありがたいが、短期予算では人材の育成が伴わないからだ。


間伐バブルといってもいい状態に迂闊にはまってしまっては、バブルが崩壊したときに干上がってしまう。

二酸化炭素の吸収源としての数字のつじつま合わせのために間伐を性急にすすめる県や国には、国家百年の計として森つくりをする度量が無い。

森を育て、木を活かしたい林業従事者たちの思いとはかけ離れてしまっている。


切り捨て間伐され残された樹木は山中で腐食しメタンが発生します。

二酸化炭素を吸って固定したはずの木が20倍の温室効果ガスの発生源となってしまう。

お役人たちが机上の空論で温暖化対策と称してやっていることは、実は温暖化を促進する逆効果になる愚作です。


最低でも、間伐材は山から出して燃料にするくらいのことはしてもらいたい。

本来ならば木の内部に固定されたままの状態で木材として利用されるのが一番いい。

間伐された地元の木材で建てる住宅、地域材で作られた家具で生活するように県民に還元してこそ森林税が生きる。


村井知事では、金を集めて使うことはできるが、使い道を考えて効果的に金を活かすことができない。

切り捨てられた木が哀れだが、切り捨てなければならない樵(きこり)たちの思いは胸中複雑なものがあるだろう。