・洋包丁の柄を挿げ替え

30年以上台所で活躍したゾーリンゲンの三徳包丁から柄が剥がれ落ちてしまった。
「直して」と気軽に頼むところがうちの家人らしい。
しかし、洋包丁の合わせ柄は交換できない構造になっている。
無理難題を気軽に押し付けるんです。

気が向かないといい仕事ができないので、数ヶ月放置してあったが、昨日、急に手がけてみたくなった。
材は米ヒバ。
常時水に濡れた状態にさらされる包丁には最適だろう。

厚さ1センチの板を二枚用意する。
耐震化で外壁に使った、出隅の仕上げ材の切れ端を、薪にする木っ端入れから拾い出してきたものです。
柄は余計な出っ張りをグラインダーで削り落とし、柄の形を鉛筆でなぞって板に写す。
この線に沿ってトリマーで彫る。
柄の厚さよりもコンマ一ミリくらい浅くするのは、金属の柄と木材の柄の密着を高めるため。

接着は水に強いエポキシ樹脂を使う。
張り合わせて万力で一昼夜締め付けておく。
接着剤が固まったらサンドペーパーで形を整え、オイルフィニッシュで仕上げる。

料理人が使う包丁のようで、良いでしょ。