エアコンを使いこなす 4

リーフのエアコン消費電力を節約する機能に「乗る前エアコン」があります。
その名の通り、乗る前にエアコンで冷暖房できる優れもの。
充電ケーブルから電力を供給できるからバッテリーの負担を少なくできます。

エアコンが起動した直後の消費電力は5kWほどまで高まるので、200V充電ケーブルから供給される電力(2.5kW〜3kW)を上回ります。
充電ケーブルを接続しているのに乗る前エアコンでバッテリー残量が減るのはこのためです。

乗る前エアコンに似た機能で車側で設定するタイマーエアコンもある。
こちらは室温が25℃に自動で設定される。
PTCヒーターは最高水温が70℃だから気温が0℃なら
(70-0)×1.83/0.86=149W

標準の4kWのヒーターだと
149/4000*3600=134秒

約2分ちょっと加熱できる。
温水を作るだけなら意外と早いが、ホースなども同時に温めているので5〜10分程度かかるのかもしれません。

一度、必要な温度まで加温できれば、あとは空気を暖めるための熱交換器による放熱分を補給するだけでよい。
室温を下げるほどに補給に必要なエネルギーは少なくなるので、エアコンの設定温度が低いほど省エネになります。

乗る前エアコンで、PTCヒーターの温水を予熱することで節約できるエネルギーは150W程度で、大したことないですね。

室内空気を25℃に温めるには、
3.6m3×1.2×0.24×(25-0)/0.86=30W
と、さらに少量。

最も熱負荷として大きいのは、内装材の保有熱です。
内装材の重さを100kgと見込み、比熱を0.3と仮定すると0℃から25℃に温めるには、
100×0.3×(25-0)/0.86=870W

これらを合計すると1kWにもなります。

乗る前エアコンを有効に利用するために温めるのはPTCヒーターの温水や空気ではなく、車の室内表面の物体、窓ガラスやシート、内装なんです。
乗車前にしっかりと温めておけば1kWhもの節約ができるかもしれないという試算でした。

・現在はJ(ジュール)で熱量を表しますが、cal世代なのでW≒860calで計算しました。


※融通が利かない初期型リーフのエアコンを、できる限り節電しながら窓を曇らせず、寒さを和らげる使い方を見つけようと試行錯誤する過程で気が付いたことを備忘録的に記録しています。