・島田娘の隣は「種まき爺」

6月3日、4日に菅の台で開催された「くらふてぃあ 杜の市」には、数万人の来客があって盛大でした。
駒ヶ根市で開催される観光イベントとしては、他の追随を許さない大規模なものに成長しています。
民間有志が数人で発案し企画したイベントであって、行政や観光協会の貧困な発想からでは到底生み出すことはできなかったと思います。


しかし、地元の観光業者の見方は冷めたものです。

年に2日だけ何万人も集めたって、残りの363日は何にもしてくれない。
協力する気はないね。


駒ヶ根市観光協会がやるイベントだって、短期間の開催でたいした集客もありません。
それに比べれば、全国的な知名度も高く、リピーターが多いこのイベントの価値はかなり高い。
でも、地元業者の評価が低いのは、主催に自分たちや行政が絡んでいないことへのひがみが感じられます。


駒ヶ根高原の行政施策の代表は、早太郎温泉です。
源泉が温泉の条件を満たしていない疑惑の温泉であることは、すでに承知の通りです。
温泉なら毎日客を呼べるので、ちょっとくらい無理をしてでも地元は協力します。
観光客に漏らしてはならない秘密の保守にも積極的に加担します。


ところで、中央アルプスの雪形の名称を観光協会が勝手に変更していることが問題になっています。
・長野日報へのリンク 『「種まき爺」か「盆踊り娘」か 中央アルプスの雪形名称で論争』


昔から「種まき爺」として親しまれてきた雪形を、観光協会が独自に「盆踊り娘」と改称してPRしたことが混乱を招いています。
有名な島田娘の隣だから、爺さんよりも娘の方が良いだろうと、単純な発想らしいです。


地名というのは、大事な文化の継承でもあります。
失敗した合併は、「中央アルプス市」なんて、とんでもない名前をつけようとしたことが直接の原因でした。
今の駒ヶ根市は歴史ある文化に対する認識に欠けています。
歴史や文化を、観光のエサとしか見ていないのではないかと、疑りたくなることばかりやっています。


中央アルプス島田娘の隣にある雪形は「種まき爺」です。
種を蒔く目安として、地元の農耕文化とともに語り継がれてきた財産です。
季節外れの盆踊りを連想する人はいないはず。
自分たちの利益のために駒ヶ根市を食いつぶす、観光業者の思惑に乗らないようにしましょう。