・共催者が逃げたKOMA夏


『災害を尻目に「KOMA夏」を開催するのは不適切』と指摘するメールをいただきました。


上伊那では、先日の豪雨災害で近隣の自治体が被災して、お祭りの中止を決めたところも少なくないのですが、駒ヶ根市の中心商店街を活性化させるためのお祭りである「KOMA夏」は例年通りに開催されました。


災害が発生したらなんでも自粛しなければならない、と固く考えるのはよろしくない。
しかし、市が『自粛』と決めたイベントを実行委員会が単独で開催するという、今回の処置は釈然としない。


報道によると、

大雨による近隣市町村の甚大な被害に配慮して市民祭りとしては自粛し、実行委員会主導の独自イベントとして実施した。

と、なっています。

共催者の駒ヶ根市は、自粛と発表するだけで責任を逃れて、実際は何の変更もなく実施させたのが実態ではないでしょうか。


実行委員会も直前まで開催の是非を協議したが
「祭りで元気な心を提供できれば」
と、開催を決め、物販等の売上金の一部は義援金として被災地へ送るとしている。


ところが、KOMA夏のサイトには、そんなことは何にも発表されていません。
マスコミ向けに、開催の口実を並べただけとも受け取れます。
・KOMA夏へのリンク


祭りで元気になるのは参加者だけで、その元気をどうやって被災者に届けるのかまったく見えてきません。
お祭りを楽しみにしていた参加者の気持ちを重視して開催したのだと思いますが、
上伊那広域連合として、日常生活で密接な関係のある市町村民が被災しているのです。
災害の復旧と後片付けで疲労困ぱいしている被災者を横目に楽しもうとする行為は浅はかだったとも考えられます。


本当に被災者を励まそうと思うなら、実態も知っておくべきです。
・長野日報 『夏祭りで疲れ癒す 浸水被害の諏訪市杉菜池区 』


どうせなら、駒ヶ根市民の心意気を見せようと、KOMA夏の開催は見合わせて、
浮いた経費を義援金として、ポン!と提供するくらいの潔さが欲しかった。
お祭りの参加者で有志を募って、被災地にボランティアを派遣して欲しかった。
・長野日報 『災害ボランティア続々 泥の排除やごみ収集』

・信濃毎日新聞 『ボランティア支援本格化 掃除・運搬 諏訪地方へ』


駒ヶ根市が自己中心的な自治体ではなく、困った時には助け合える頼りになる自治体だと周囲に認めてもらえる好機を逃しました。
実行委員会に自主開催させて「市としては自粛」で、責任逃れをした駒ヶ根市長の無責任さが際立ちます。


結果として、災害の最中にお祭り気分になれる駒ヶ根市という自治体を世間に知らしめてしまいました。
ただし、KOMA夏は駒ヶ根のお祭りではなく、商店街のお祭りですから、無関係の市民を一緒にしないでくださいね。