・10億円の事業予算

長野県が現在行っている10億円の事業があります。
なんだか分かりますか?


今回の知事選の経費として10億3400万円の予算が計上されています。
有権者に与えられた一票の重みはこんな面からもうかがえる。
・中日新聞 『今回知事選の経費10億円』


有権者数は178万4220人だから、一票あたり580円の予算執行権を持っていることになります。
一見、大した金額には思えないかもしれませんが、投票率が70%だったとしたら棄権者は約53万人。
3億円の事業費が無駄になってしまうとの見方もできます。


3億円の無駄遣いの当事者にならないためにも、両候補の政見放送や立会演説を見て聞いて、じっくり考慮しましょう。


でも、豪雨災害対策の最高責任者として田中知事は行動範囲に制約があり、県庁から遠い伊那谷には災害視察では来れても、遊説で訪れることは難しい。
一方の村井氏は25日に駒ヶ根入りしました。
・伊那毎日新聞 『村井仁候補駒ケ根で街頭演説』


演説会場となったのは、告示直後のニセ街頭演説が行われた広小路と銀座商店街の交差点付近。
顔ぶれも、そのときと同じで宮下一郎衆議院議員のほか、佐々木祥二元県議会議員保守系の市議会議員。
違いは、中原市長が応援演説をしたことです。

田中県政にノーと言わなければならない。何としても村井さんを知事に送り出したい。
市長としてお願いする


選挙予算が有権者数に比例して配分されるとすると、駒ヶ根市には1550万円が交付されていることになる。
これだけの予算を使って中原市長が、田中知事を引きずり下ろすことに全力を傾けていると考えると複雑な思いです。


それにしても、村井氏の街頭演説の内容には驚かされます。

「私は経済・財政のプロとしての自負を持っている」
「私が知事になったら、必ずや県に眠っている資産を生かし、多少借金は増えても有効に使う施策を講じる」
 聴衆からは時折「いいぞ」「頑張れ」などの声が飛んでいた。


一般的にプロというのは、専門家であって、専門能力を生かして生計を立てている人のことを言います。
通産省で経済をかじったとしても、それはお役人の仕事であって、専門知識を駆使する立場にあったわけではない。
ましてや、退官したときの肩書きは「工業技術院総務部長」。


国会議員時代には、大蔵政務次官衆議院大蔵常任委員長、金融再生総括政務次官などを歴任されていますが、大臣だからその道のプロだなどとは誰も考えもしません。
何を根拠にプロ発言を繰り返すのか、疑問を通り越して、過剰な自信に不安を感じます。


せめて「出だしで多少借金は増えても、任期中には田中時代よりも減らして見せる」と言っていただけないでしょうか。
担保がなくては、「いいぞ」「頑張れ」などとは口が裂けても言えない状態だと思います。